石見・石西「日本外交の今後の課題」

  「日本は“世界の孤児”になる」

    危うさ募る近隣諸国関係

       安倍外交の課題をどう見るか


   講 師  孫崎 享氏(元外務省国際情報局長)

   演 題  「日本外交の今後の課題」



 山陰中央新報社の「石見政経懇話会」「石西政経懇話会」は平成26年6月30日(月)・7月1日(火)に定例会を開催します。今回は、元外務省国際情報局長・元防衛大学校教授の孫崎 享(まごさき・うける)氏を講師に迎え、「日本外交の今後の課題」と題して講演してもらいます。


  「領土」「拉致」「歴史認識」「従軍慰安婦」「TPP」・・・・・・、日本外交に重いテーマが覆い被さる。それも近隣諸国との関わりばかりだ。そして安倍首相が全身全霊を傾ける「集団的自衛権」も関係国の心情を波立てる。いずれも避けては通れないものばかり。一体、解決の道筋はあるのか。日本はどこへ向かおうとしているのか。

 安倍首相は「積極的平和主義」のもと、精力的に外遊を重ねている。歴代首相の中で、海外訪問頻度はトップだ。特に首相就任後、ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国を全て訪れ、ASEAN重視を印象付けた。今年3月、外務省がASEAN7カ国で行った対日世論調査結果でも、「日本は(アジア・欧米主要11カ国中)最も信頼できる国」との結果が出た。因みに“信頼指数”は日本33%、米国16%、英国6%、豪州5%、中国5%など。また、現在および将来の重要パートナーとしても、中国や米国を抑え一位だった。ASEAN歴訪の成果を裏付ける結果と言えなくもない。

 安倍首相が“自分の使命”とまで言い切る「拉致問題」は大きな転換点を迎えた。5月にスウェーデンで開かれた日朝局長級会合を受け、日本人拉致被害者ら行方不明者の全面調査が決まった。再調査合意は金正恩体制となって初めてであり、どこまで信頼できるか、との懸念は残るものの今後の進展に注目だ。

 一方、中国・韓国とは相変わらずの“断交”状態が続いている。安倍首相就任から1年半経つが、日米韓首脳の顔合わせを除けば、依然として二国間の首脳会談すら開催できぬままだ。また、蜜月かと思われていた「日ロ」関係も、ウクライナ問題で一挙に不安定な状況下に置かれてしまった。その後の中ロ首脳会談以降、厳しさは増すばかりだ。さらに、「TPP」も難航を極めており、日米二国間のみならず、ニュージーランドなどとの農産物交渉も予断を許さない状況だ。米国内からは「日本抜きでの合意を目指すべきだ」との声さえ上がるなど、依然として道のりは険しい。

 小沢一郎氏は最近の講演で「日中・日韓はもとより、日米関係も一層危ういところにきている」と、安倍外交に懐疑的な見方を示した。今回の講師・孫崎氏は「このままでは、日本は世界の孤児になる」との警鐘を鳴らす。課題山積の安倍外交だが、孫崎氏はどう読み解くのだろうか。ご期待下さい。        (事務局長 友定雅紀)


<孫崎 享氏のプロフィール>

 1966(昭和41)年、東大法学部中退、外務省入省。駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を経て2002年から09年まで防衛大学校教授。主な著書に「情報と外交」「日本人のための戦略的思考入門―日米同盟を超えて」「日本の国境問題―尖閣・竹島・北方領土」「アメリカに潰された政治家たち」「小説外務省―尖閣問題の正体」など。石川県出身、70歳。

  (本会は会員制です)

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2014年6月10日 無断転載禁止