レッツ連歌(下房桃菴)・6月26日付

(挿絵・FUMI)
◎まだ顔を見ない家族が一人増え

お腹さすって語りかけてる   (江津)江藤  清

◎芝生だと足に優しく気持ちいい

花火の夜は予約でいっぱい   (松江)田中 堂太

隣を見ればそんな気がする   (出雲)行長 好友

◎新任の家庭訪問まだ来ない

やっぱりビデオ予約入れとこ  (浜田)松井 鏡子

教育ママに教育されてる    (大田)柴 わん子

やっと間に合う部屋の片づけ  (出雲)原  愼二

胸元開いた服に着替えて    (江津)岡本美津子

ベタ踏み坂で渋滞に会い    (益田)石川アキオ

熊出没の無線流れて      (美郷)遠藤 耕次

◎抜け穴は次から次と掘られてい

蟻に赤糸つけて這わせる    (益田)小倉  豊

◎お愛想笑いだけして通り過ぎ

ほんとトイレが近くなったの  (川本)高砂瀬喜美

◎おふくろの味でゆっくり飲める店

ほどよいとこで出る梅茶漬け  (益田)石田 三章

独身最後の夜は更けてゆく   (松江)相見 哲雄

銀座は銀座なんだけれども  (奥出雲)松田多美子

一輪挿しに四季の草花     (松江)松田とらを

◎妾宅はお供の丁稚よく覚え

ポチももらえて道草もでき   (松江)花井 寛子

◎ご利益がまるでなかった酉の市

おシャカになった新調の靴   (松江)岩田 正之

◎退職後犬の散歩で知る近所

こげな所にあげなベッピン   (江津)花田 美昭

◎ジャンケンで押し付けられた自治会長

挨拶うまく二年三年      (益田)兼子 哲彦

新規アイデア次々と出し    (松江)持田 高行

住み疲れたる団地の面々    (大田)丸山 葛童

◎助手席に乗るのそろそろやめてくれ

タバコの吸殻菓子の食べカス  (出雲)放ヒサユキ

浮気したのは十五年前   (出雲)はなやのおきな

◎小遣いの値上げ交渉決裂し

暖簾の前で右往左往し     (松江)福田 町子

せっせと作るかたたたきけん  (雲南)安部 小春

◎爺さんは米寿迎えてなお盛ん

眼鏡もかけず米に絵を描く   (松江)水野貴美子

東京五輪はどげでも行くわい  (松江)中西 隆三

好きな作家は渡辺淳一     (益田)吉川 洋子

◎無欠勤無遅刻無趣味四十年

みごと入選はたすサラ川    (出雲)原  陽子

どう舵を切る第二ステージ   (美郷)源  瞳子



           ◇

 「ベタ踏み坂」、有名になりましたね。私もしょっちゅう通るのですが、いまだに「観光客」が絶えません。ただそれだけで誇らしい気分になれるのですから、おもしろいものです。

 多美子さんの句―、「銀座は銀座」という表現が気に入りました。なるほど、そういう銀座なら、「おふくろの味」が似合いそう。

 正之さんの句は、ご利益がなくって「おシャカになる」というシャレがおもしろい。

 「住み疲れ」ということばはないと思いますが、うまい造語ですね、葛童さん。「新語大賞」に選ばれないかしら。

 小春さんの句は、「肩たたき券」とあったのを、あえて読みにくく直させていただきました。お許しください。

          ◇

 次は、今日の入選句に五七五の付句をお願いします。

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 七月スペシャルの前句は、

  二十年後に咲く種をまく

 こちらの付句も五七五です。

五月に初めて選をしていただいた木純さんですが、「みなさん、かなりテダレ」と感じられたそうです。

       (島根大名誉教授)

2014年6月26日 無断転載禁止

こども新聞