こどもトピック 「自信付いた」塾生成長へ

映像を見ながら吹き替えの練習をする塾生=松江市白潟本町、市民活動センター
松江、出雲で声優塾スタート

 名作映画のバリアフリー化に取り組む松江市のNPO法人「バリアフリー・シネマ&ライフ・ネットワーク」(中嶋春喜理事長)が開く声優塾(せいゆうじゅく)が、今年も5月から松江、出雲両市で始まりました。あこがれの声優の技術を学べるだけでなく、塾生の自信や、コミュニケーション力向上にもつながっています。


コミュニケーション力を磨く

 映画は公開から一定年数を過ぎて著作権(ちょさくけん)が切れると、映像を自由に使えるようになります。バリアフリー化とは、独自に字幕(じまく)を付けて吹き替えたり、場面の様子を説明する音声ガイドを吹き込んだりして、高齢者(こうれいしゃ)や視覚(しかく)、聴覚障害者(ちょうかくしょうがいしゃ)ら誰もが一緒に映画を楽しめるようにすることです。

 同法人は、2010年の「ローマの休日」をはじめ「若草物語」や「34丁目の奇跡(きせき)」などの名作映画をバリアフリー化しています。中学生から高齢者、視覚障害者ら幅広い人々がボランティアで字幕や脚本(きゃくほん)づくり、音楽編集(へんしゅう)、翻訳(ほんやく)にかかわり、声優を務めています。

 声優塾は「ローマの休日」の吹き替えに携(たずさ)わった中学・高校生らが、収録(しゅうろく)が進む中で「自信が付いた」「人と話すのが好きになった」と成長したため、12年6月からコミュニケーション力向上も視野に始めました。

 昨年春から参加する鳥取大学工学部4年の神門歩実さん(21)は「1年前、ぼそぼそとしゃべっていた自分が今や、たくさんの人と会話していることに驚く。幅広い世代の声を演じられるようになりたい」と笑顔を見せます。実演を交え、せりふの話し方や感情の込め方を後輩(こうはい)に教えています。

 今年の塾生は中学生から60代まで約40人。今年から声優に加え、編集や音楽技術スタッフの育成まで塾生の範囲(はんい)を広げました。

 このほど松江市で開いた塾では約20人が、早口言葉や発声練習の後、前年の塾生が吹き替えた「ピーターパン」を見ながら、画面に出る字幕を読み上げました。

 松江市内の女子中学生(14)は「声優に興味があるけど、人と話すのが苦手。自分を変えたい」と意気込んでいます。

 中嶋理事長(59)は「塾生が自信を持って、さまざまなことに挑戦(ちょうせん)するきっかけにしたい」と話しています。

2014年7月4日 無断転載禁止

こども新聞