こどもトピック 児童文学作家 角野さん 安来で講演

物語ができるまでの体験を語る角野栄子さん=安来市今津町、安来市学習訓練センター
「魔女の宅急便」や「小さなおばけシリーズ」

 子どもたちに本に親しんでもらうため、童話の「魔女(まじょ)の宅急便」や「小さなおばけシリーズ」の作者として知られる児童文学作家の角野栄子(かどのえいこ)さん(79)がこのほど、安来市今津町の市学習訓練センターで講演(こうえん)しました。物語ができるきっかけや、読書で想像力が身につく大切さを語り、島根、鳥取両県内から訪れた家族連れら約170人が熱心に耳を傾(かたむ)けました。


好奇心を持つことが大切

 角野さんは東京都出身。1970年、ブラジルに滞在(たいざい)した経験をもとに児童書「ルイジンニョ少年、ブラジルをたずねて」を書き、絵本や童話の創作を始めました。85年に現代っ子の魔女キキが町に出て自立する姿(すがた)を描(えが)いた「魔女の宅急便」が小学館文学賞などを受賞。今年4月には政府から芸術分野で業績(ぎょうせき)をたたえられ、旭日小綬章(きょくじつしょうじゅしょう)という勲章(くんしょう)を受章しています。

 講演会は、安来市内で読書活動を進める安来親子読書サークル(木口元子(きぐちもとこ)代表)が開きました。会場では、角野さんが手掛けた本が参加者からよく見えるよう机に並べられ、角野さんが手に取った本を見開きながら話しました。

 代表作の「魔女の宅急便」は、年老いた悪い魔女ではなく、ほうきで空を飛ぶという一つの魔法しか使えない少女が描(えが)かれています。そのわけについて、角野さんは「人間が空を飛べたら、と想像したことがきっかけ。使える魔法も一つだからこそ価値(かち)がある」と語ると、参加した大人も子どもたちも身を乗り出して聞き入っていました。

 さらに、角野さんは物語をつむいでいくのに大きな武器となる想像力を育むこつについても「普段の生活で不思議(ふしぎ)だな、面白(おもしろ)いなと好奇心(こうきしん)を持つことが大切」と助言しました。幼いころ、親に本を読んでもらったことで好奇心を培(つちか)った角野さんには、子どもの時から面白いと感じる本を楽しんでほしいという願(ねが)いがあります。

 学校の教科書で「サラダでげんき」という角野さんの童話を読んだ出雲市立出東小学校2年の古川陽賀(ふるかわはるか)君(8)は「作品の紹介が楽しくて、知らなかった物語にも興味を持った。学校や出雲市の図書室で読みたい」と喜んでいました。

2014年7月18日 無断転載禁止

こども新聞