紙上講演 双日総合研究所副所長 吉崎達彦氏

双日総合研究所副所長 吉崎達彦氏
どうなる今後の日本経済

デフレ脱却し設備投資活発に

 山陰中央新報社の米子境港政経クラブ、島根政経懇話会の定例会が17、18の両日、米子、松江両市内であり、双日総合研究所副所長の吉崎達彦氏(53)が「どうなる今後の日本経済」と題して講演した。デフレ脱却の兆しが見え始めており、企業の設備投資が活発化していくとの見通しを示した。要旨は次の通り。

 今春の消費税増税による影響をはらはらしながら見ていたが、自動車販売は底堅く、家電も持ち直しつつある。食料品はあまり影響を受けておらず、値上げが相次ぐ外食産業も好調だ。

 1998年から続いてきたデフレ下で、企業は「もうちょっと待てば安く買える」という思考が働き、守りの経営となっていた。

 しかし、物価が上昇に転じ、行動が変わってくる。リーマン・ショック後、設備投資を控えてきた企業を中心に、本年度は相当、投資に動くとみている。

 一方、家計では可処分所得が厳しくなり、今後も厚生年金保険料の増額など、負担増をめぐるスケジュールが続々と控えている。

 安倍政権は、さらなる消費税増税の可否を年末までに判断する見通しだ。ただ、法人減税も議論している中、消費増税の判断を本当にできるのか疑問な点もある。

 また、今春の増税の影響はなんとか乗り越えつつあるが、10%に上げるには、企業部門に相当頑張ってもらう必要がある。

 産業分野では、製造業の復活や、東南アジアからの訪日客が増えている観光業の活性化に期待している。経営者にとっては、雇用者数の伸びの要因となっている女性を育て、登用する視点も大切だ。

2014年7月22日 無断転載禁止