映画プロデューサーのささやかな日常(14)

連日深夜まで続いた「日々ロック」撮影現場にて
 縁の下の力持ち!制作スタッフ

     女性陣の奮闘ぶり目立つ

 先月お伝えした新作映画『日々ロック』が、間もなくクランクアップします。撮影は都内近郊や静岡県などで延べ3週間行い、エキストラ千人以上が参加する圧巻のライブシーンや町中でのド派手なアクションシーンなど、バラエティーに富んだ内容になりました。

 何と言っても、若手俳優で圧倒的な演技力を持つ主演の2人、野村周平さんと二階堂ふみさんの魅力が炸裂(さくれつ)しています。クライマックスの暴風雨の中でのライブシーンは、音楽映画としては、いまだかつてない熱量の高いシーンに! 完成を楽しみにしてください。

 とはいえ、プロデューサーにとっては非常に難易度の高い現場でした。撮影分量に比べてトータルの撮影時間が短かったため、当初は日程通りに撮りきれるのだろうか?と不安で頭を抱えることもありました。不眠不休の撮影を乗り切れたのは、スタッフの創意工夫のおかげです。

 今回は通常より少なめのスタッフ数、延べ50人規模のチームとなりました。時間や予算も限られた撮影現場ではスタッフのモチベーション、技術とアイデアで流動的に対応しますが、スタッフも人間ですから、疲労は日に日に増していきます。

 そこで重要になるのは「制作進行」と呼ばれるスタッフです。

 カメラで撮る撮影部、ライトで画面に深い陰影やきらびやかな色を作り出す照明部、台詞(せりふ)や音楽をレコーディングする録音部、小道具を扱う装飾部や衣装部、空間を設計し作り出す美術スタッフ、エキストラの動きをつける演出部などはそれぞれ、専門の技術領域があります。

 しかし、制作部は技術を駆使し、表現を行う職種ではありません。これら技術パートのスタッフと出演者のケアが主な仕事で、撮影現場を円滑に進めるスタッフなのです。

 具体的には、食事と飲み物・軽食の準備や、休憩用の椅子やガムテープ、急に雨が降ったときの傘や雨具のスタンバイに加え、道路を占有して撮影する場合は、誘導用の赤色灯で一般車を誘導します。さらには、スタッフがロケ地へ移動するための地図を作製したり、撮影現場に最初に入り、撮影終了後、忘れ物やごみがないか確認し、撤収したりするのも制作部の仕事です。

 ちなみに今回の制作部4人のうち、3人が女性でした。実は演出部、美術部、撮影部や録音部も、女性が重要なポジションで活躍。ここ数年で明らかに女性が増えました。

 かつて「3K」と言われたこの業界も、機材のスリム化などにより少しは緩和しましたが、まだまだきつい仕事には変わりありません。それでもこの業界に飛び込んでくる女性たちの奮闘ぶりを見ていると、われわれ男性陣も頑張らねば、と思う日々なのです。

 (松竹映像本部 映画プロデューサー・石塚慶生、米子市出身)

2014年5月9日 無断転載禁止