山陰きらりキッズ(15) 大物狙い週末ごとに海へ

真剣な表情で釣りざおを構える武部慎君(左)と僚君=松江市島根町大芦
釣り・武部慎君 松江市立湖北中学校3年・武部僚君 同中1年

 松江市島根町大芦の波止場(はとば)。休日の釣りを楽しむ男性の釣り人の中に、真剣な表情で釣りざおを構(かま)える2人の少年がいる。同市立湖北中学校3年の武部慎(しん)君(14)と同1年の僚(りょう)君(12)=松江市古曽志町。兄弟は穏(おだ)やかな海面に見える魚の群(む)れに、じっと視線(しせん)を向けた。

 2人とも父光夫さん(47)の手ほどきで、小学生になる前から釣りを始めた。僚君は「最初は釣りざおを海に落としたり、釣(つ)り針(ばり)でケガしたりして悔しかった」と苦笑い。道具の扱い方に次第に慣(な)れ、魚が針に掛かる感触(かんしょく)や魚との駆(か)け引きを楽しめるようになった。

 今までで一番の大物は、慎君は45センチのハマチ、僚君は2キロのベニイカ。2人ともタイやヒラメの大物を釣り上げようと、ほぼ毎週末に海へ出掛けている。

 「兄弟そろって負けず嫌い」(光夫さん)。釣果が上がらない日は、結果を求めて何度も場所を変える。普段も、新聞の釣り情報欄(じょうほうらん)をチェック。宍道湖自然館ゴビウス(出雲市園町)やしまね海洋館アクアス(江津、浜田両市)に毎月出掛け、魚の生態を学んでいる。

 「冷静に魚の動きを見ていて、手応えがあった時の反応も素早くなっている」と、兄弟の成長に目を細める光夫さん。2010年10月に松江市島根町で開かれたアオリイカ釣りの大会では、2人一組で計2匹の総重量を競う部門で1・03キロを記録。大人たちをおさえて58組中3位に入り、大会で初めて表彰台(ひょうしょうだい)に立った。

 兄弟が今、楽しみにしているのは秋のアオリイカ釣り。サイズよりも数が楽しめる時季に大物をヒットさせ、独特の重い引きを楽しむ瞬間(しゅんかん)を夢見ている。

 釣り人としての姿勢にも目を向けている。その表れが釣り場の清掃だ。

 小学生になったころから、光夫さんをお手本にして釣りが終わると毎回、周辺をタワシで磨(みが)き、目に留まったごみを拾い集めて持ち帰る。目の前でごみを捨てる釣り人を見てショックを受けたのきっかけだ。

 今も、釣り場のごみの多さには心が傷(いた)む。「釣り場をきれいにするのは当たり前」と慎君。思いの輪が広がることを願っている。

2014年7月26日 無断転載禁止

こども新聞