山陰きらりキッズ(16) 「しろ」の謎に挑み続ける

餌のウインナーを置き、アリを観察する横田隼人君=出雲市大社町北荒木
アリの研究・横田隼人君 出雲市立荒木小学校6年

 アリはなぜ餌(えさ)の回りに小石を運んで山のような「しろ」を作るのか―。科学的に解明(かいめい)されていない謎(なぞ)に、横田隼人君(12)=出雲市立荒木小学校6年=が挑み続けて6年目になる。

 昨年には、アリの活動を1年間追いかけ、夏休みの自由研究で提出した「パート5」が、国立科学博物館(東京)が表彰する野依(のより)科学奨励(しょうれい)賞などを受賞した。

 広島大学大学院理学研究科の泉俊輔教授の目にとまり、全国から昆虫(こんちゅう)の専門家が集い、今年9月に同大で開かれる学会のポスター部門に出展(しゅってん)。来年には、広島大で学生や教授を前に研究を発表する「講義(こうぎ)」が控(ひか)える。

 アリの研究に取り組むきっかけになったのは、小学1年の夏休み。家族旅行で泊まった兵庫県内のコテージで、1匹のアリが大きなバッタを運んでいる姿を夢中で追いかけた。

 研究しているのは、出雲市大社町北荒木の自宅の裏庭にいる体長約2・5ミリのトビイロシワアリ。飼育(しいく)ではなく、草むらをすみかにしている野生のアリの習性を調べている。

 小学2年の時、餌を巣まで運ぶ際、餌の回りに小石の山を作っているのを発見。「しろ」と名付けた。餌はウインナーを使い、気温や地温の違いや、餌を置く位置を高くしたり角度をつけたりし、アリがしろを作る意味を研究している。

 小学校の教員である父輝昭さん(43)と知恵を絞(しぼ)りながら、実験を重ねる。大田市の島根県立三瓶自然館サヒメルを訪れ、昆虫専門の学芸員から助言をもらうなど努力を惜(お)しまない。

 ウインナーを野良猫(のらねこ)が取っていったり、雨や風でしろが崩れたりすることも。実験は一からやり直しになるが、それでも頑張(がんば)れるのは「何でしろを作るのか、突き止めたい。知りたい」という強い好奇心(こうきしん)があるからだ。

 昨年の研究で、石運びと餌運びの役割を分担していることと、しろの形は2種類あることを発見。今夏はこれらの謎に迫る予定にしている。

 将来の夢は、お父さんと同じ小学校の教員。「大好きな実験の楽しさを子どもたちに教えたい」と話す。

2014年8月9日 無断転載禁止

こども新聞