紙上講演 共同通信論説委員兼編集委員 柿崎明二氏

共同通信論説委員兼編集委員 柿崎明二氏
政局 秋の陣

解散は来年春から秋

 山陰中央新報社の島根政経懇話会が22日、松江市内であった。共同通信論説委員兼編集委員の柿崎明二氏(53)が「政局 秋の陣」と題して講演し、次期衆院選を見据えた野党連携や、安倍晋三首相の解散の決断時期を展望した。要旨は次の通り。

 安倍官邸(政府・与党)が強く、野党が多くて弱い「1強多弱」の状況は変わらない。日本維新の会と結いの党が「維新の党」を旗揚げしたが、結成の過程で双方とも1回ずつ分裂している。今後、民主党を抑えて、(自民党に次ぐ)第2グループになるには限界がある。

 一方、民主党の新役員人事で、海江田万里代表から幹事長就任の打診を受けた枝野幸男幹事長が「岡田克也代表代行、福山哲郎政調会長」就任の条件を出して、その通りになった。岡田氏就任の意味は、連合との関係強化を前提に、民主党を基軸に野党連携を進めていくという考えを出したものだ。野党の中心は民主党に収束していくだろう。

 自民党は、新役員人事で二階俊博氏を総務会長に据えた。対中改善のシグナルと言われるが、それは結果論だ。二階氏は党内に数人しかいない公明党、創価学会とのパイプを持ち、選挙を見据え、より密接なつながりをつくりたいという狙いがある。

 安倍首相は、野党がバラバラの状態なら解散は行わない。年内に消費税を10%に引き上げる判断をした上で、解散時期を探るのが合理的だ。仮に今秋解散すると、経済対策もやらないで増税の判断をすることになり無責任になる。

 解散は来年春から秋にかけてと見る。それでも自民党が勝つだろう。野党は次の衆院選である程度議席を伸ばし、その次に政権を狙う2段階の構えでいる。秋の臨時国会では、選挙を見据えた(野党連携の)変化が見られるのが見どころだ。

2014年9月23日 無断転載禁止