海士町アドベンチャーキャンプ 「自然と共生」連帯感育む

5泊6日の非日常体験

 7月28日から8月2日までの6日間、隠岐島前の海士町で18回目の「アドベンチャーキャンプ」が行われました。「アドベンチャーキャンプ」とは、海士町東地区にある倉田海岸で、小学5年生から中学3年生の子どもたちを対象としたキャンプのことです。

 現代の便利な生活から離れ、ボタンを押すだけでつく電灯も、蛇口をひねるだけで流れる水も、自分たちを守ってくれる丈夫な建物も、何もない所で子どもたちは過ごします。

 そんな環境の中での炊事、テント・トイレ設営、いかだ作り、キャンプファイアなどの生活体験を通して、自然や人との触れ合いを深め、郷土を愛する心を養うとともに、自分のことは自分でできる力や、困難を乗り越えようとする態度、仲間と支え合う連帯感を育てることを目的に、毎年行われています。

 また、「連携力」「感謝の心」「自然との共生力」「忍耐力」など、さまざまな人間力を身に付けることも狙いです。

 ここで、5泊6日のスケジュールの概要を説明します。

 1日目は開村式、オリエンテーション、テント設営、かまど作りです。2日目は竹クラフトのはし作りやいかだ作り。3日目はいかだ航海。4日目は「チャレンジの日」。5日目は「まつりの日」で、創作活動、海遊び、キャンプファイア。6日目は撤収、閉校式。島外生もいるので見送りもします。このように6日間ぎっしりといろんな行事が詰まっています。アドベンチャーキャンプに参加させてくれる父母、スタッフ、海士町の皆さんのおかげで、子どもたちは普段体験できないことをいっぱい学ぶことができました。(本多かすみ)


 ※筆者はいずれも海士中学校の生徒です。



手作りいかだで往復6キロ“熱漕”

炎天下、手作りのいかだを操って航海レースに挑む
 キャンプの前半を締めくくるのは、3日目に行われるいかだレースだ。生活班のみんなと力を合わせて作ったいかだで、倉田~長井間往復6キロの航海を行う。

 その日は朝から快晴で、航海中もずっとジリジリと太陽が照りつけていた。炎天下、いかだをこぐのはつらく、重労働でしかない。そんな中でみんなで力を合わせるというのは非常に難しく、大変である。

 しかし、4チームから聞こえてくるのは「がんばれ!」「あと少し!」「みんなで声を掛けよう!」などの言葉だった。弱音を吐く者は一人もいない。たった2日でこれほどの信頼関係が生まれるのだなと、とても驚いた。力を合わせるのは大変だとみんなは言うが、その大変さを感じさせないほどみんなの笑顔は輝いていた。

自分たちで釣ったり、採ったりした食材を使って「サバイバル料理」に挑戦
 ドラマも生まれた。1班は前日、いかだを一番に作ったが、形が悪くすぐ転覆。慌てて修正したが、またもや転覆。「このままじゃ参加できない」とみんなが思った。どうしても参加したいと夕食を早く作り、いかだを作る時間を生み出した。試乗はできず、ぶっつけ本番となった。そして、当日。何とか浮いたいかだは、見事2位で帰ってくることができた。トラブルがあったからこそ、班員の心は一つになれたと言っても過言ではない。

 4班は体調不良で欠席者が出たため、通常より少ない6人で参加したが、やはりハンディは大きく、結果は4位だった。しかし、レースを終えた6人の顔は、どの班よりも輝いていた。「勝ち負けも大切かもしれないが、みんなが楽しめることの方が大切だ」と、4班のメンバー。

 「みんなで力を合わせるということがとても大変だということを実感した」と、参加者全員は言う。全くその通りかもしれない。(永原颯貴)



スリル満点6メートルダイブ

「飛び込み」上級コースは、高さ6メートルの防波堤から果敢にダイブ
 キャンプ4日目は、松島へ行く人たちと、現地に残る人たちとで分かれての活動。現地に残る人たちの様子について紹介します。

 この日の活動内容は「飛び込み」。初級・中級・上級の、自分に合ったコースに分かれて楽しく海遊び!! 初級コースでは海での泳ぎ方や低い船着き場からの軽い飛び込みを、中級コースでは高さ3メートルの防波堤から、上級コースでは、さらに3メートル高い6メートルの防波堤からの飛び込みをするようで、中には上の級へ上がって挑戦する人や、友達と飛び込み回数を競い合ったり、みんなで手をつないで飛び込んだりと、大いに満喫していたようです。

 大人のスタッフさんやダイバーさんが、いざというときには助けてくれるので、安全で安心して遊んでいられるみたいです。だから、どんなに高くて怖くても、飛んでみようかなと挑戦する気になれるのかもしれませんね。それに、ライフジャケットを装着していても飛び込めるので、誰でもできます。

 飛び込む海は青く、ごみ一つないので、飛び込んだときはとても気持ちがいいみたいですよ! もちろん、まだ水が怖くて泳げないっていう人も、初級コースで教えてもらえるので、海遊びが終わる頃には一人で深い所までスイスイ泳げるようになっちゃうみたいです!! 何と少しの時間で初級コースで泳げるようになって、さらには中級コースへ上がるまで上達した人がいたらしいです。

 スリル満点で、最初は少し怖いけど、一回飛んだら次からは楽しくて、何回もしてしまうような体験をしてみませんか。肝試しに、ぜひアドベンチャーキャンプへ飛び込みをしに来てください。    (青山みずほ)



無人島でサバイバル生活

「チャレンジの日」には、海に潜って魚を捕ったり、アワビ、サザエ採りを楽しんだ
 「アドベンチャーキャンプ」4日目は「チャレンジの日」。「アドキャン」3年連続参加の子どもたちは、松島に行くことができる。松島は少し大きめの無人島で、岩場が多く、とても過酷な島だ。

 きれいな海で泳いだり、潜ったりしてサザエやアワビ、ニイナを採ったり、釣りをしたりする。その日の昼食と夕食は、自分たちが採ったり釣ったりした食材で作るサバイバル料理だ。何も取れなければお米くらいしかない。

 松島での夜は懐中電灯なんて一つくらいしかないので、その場は明るいけど、少し離れると真っ暗だ。でも、満天の星がとてもきれいに見える。

 松島で一番怖いのは蚊だ。日が落ちるにつれて増えていく。蚊たちは年に一度のごちそうだから逃すわけにはいかないと、蚊帳から出るものなら血を吸いに一斉に寄ってくる。そこら中に蚊取り線香を置き、殺虫剤をまき、自分には虫よけをして、長袖で長ズボンを着て、やっとこさあまり刺されない。

 でも、面白いのも夜。小さい蚊帳の中で友達と怖い話や学校のことを話したりして、少し夜更かしをしてしまうけど、とても楽しい。松島はトイレも面白いかもしれない。だって(聞くだけなら)水洗トイレだから。

 松島組が心配するのは、倉田にいる班の人たちのこと。でも、帰ると必ず「◯◯ができるようになったよ!」と報告してくれる。4日目は、倉田に残る人たちも松島組もすごく成長できる日だ。

 そして、アドキャンのテーマの一つに「感謝の心」があるが、ものが食べられ、電気、水があるありがたみがよく分かる日だと思う。(向山 凪)



<1日目> 力合わせてテント設営

 この日はこれから6日間協力して活動する班のメンバーとの「出会いの日」。本土の方から来る、見たことのない人にも会います。

 開会式とミーティングが終わり、昼食を食べたら、いよいよ現地の倉田海岸に向かいます。急な坂を上り下りしながらようやく着くと、次はテントを組み立てます。活動する班のメンバーとは別にテント班があって、そのメンバーと協力してテントを組み立てます。みんなで協力して立てると、あっという間でした。

 その後には、いよいよ活動班のメンバーと石でかまど作りをして、夕ご飯からは自分たちで火をおこして、ご飯を作ります。初日から難しいけど、班のみんなで協力します。アドベンチャーキャンプでのご飯作りは計13回あります。これからみんなで協力してご飯作りも活動も頑張ります。

(青山ななせ)


<2日目> いかだ作りに悪戦苦闘

 2日目は、3日目に行われる「いかだレース」のために、みんなでいかだを一から作りました。

 まず、いかだの設計をしたあと、みんなで協力していかだを作り始めました。初めは、ひもの結び方や、のこぎりで竹を切るのにみんな苦戦していたけど、みんなで教え合い、協力しながらやったら、とてもいいいかだを作ることができました。

 さっそく試乗してみると、班のみんなが乗ることのできるとても安定したいかだでした。他の班のいかだはバランスの悪いのが多かったので、正直心の中では「いかだレースではたぶん勝てるなぁ」と思っていました。

 僕たちの班はみんなでいろいろと教え合ったり、協力したりできる、とてもいい班でした。

       (万代 丈)


<3日目> 声援後押しレース挑戦

 私は今年で4回目のいかだレースでした。結果は行きが2班と4班が最後でしたが、声を掛け合って頑張りました。ゴールした時、先にゴールした班が「ナイス」「頑張った」などと声を掛けて応援してくれ、うれしく思いました。昼からは海で遊び、サザエやアワビなどを採り、帰りもいかだで競い合いました。結果は2位でした。帰りは行きよりみんなで声を掛け合いながら、最後まで一生懸命頑張ったので、2位という結果が出せたのだと思います。

 行きと帰りの時間を足した総合の結果は3位でした。目標の1位という結果は取ることができませんでした。悔しかったけど、全員で協力して、全力でレースに挑戦することができたので良かったし、いい思い出になりました。来年参加したら1位を取りたいです。     (飯古愛美)


<4日目> 美味「サバイバル料理」

 4日目は「サバイバル料理」を作りました。サバイバル料理では、魚釣りと海に潜って魚や貝をとることのどちらかを選べます。私は魚釣りにし、あんなちゃんとゆえちゃんの3人でグループを組みました。

 最初は上級コースの方に行ってみました。餌はニイナで、あんなちゃんが殻を取って身だけにしてくれました。なかなか釣れないので場所を移動すると、あんなちゃんやゆえちゃんがたくさん釣っていて、すごいなぁと思いました。

 私は結局1匹も釣れなかったけど、他の班の人がアワビなどを採っていたので、食べることができました。とてもおいしかったので、良かったです。

 私はみんなと協力して4日目を過ごせたと思いました。これからも協力しながら、いろんなことに挑戦したいです。   (柏谷心愛)


<5日目> キャンプファイア満喫

 5日目は、お祭り料理とキャンプファイアがありました。

 お祭り料理では、四つの班がいろいろな料理を作り、それをみんなで食べました。1班は肉チャーハン、2班は焼き鳥、3班はマック風にハンバーガーとフライドポテト、4班はプリンなどでした。スタッフの料理もあって、巨大巻きずしでした。どの料理もとてもおいしかったです。

 キャンプファイアでは、「スタンツ」と言って、それぞれの班が出し物を披露しました。どの班もとても面白い出し物でした。

 最初は5日間は長いと思っていたけど、すごく楽しくてアッと言う間に終わりました。お祭り料理は予定よりちょっと時間がかかってしまったけど、どの班も上手にできたので良かったです。来年もぜひ行ってみたいです。

(小田川龍清)


<6日目> 感謝込め海岸ごみ拾い

 いよいよ今まで6日間一緒に活動してきたメンバーとの「別れの日」。テントを片付け、倉田海岸にごみを残さないように、1日目と同じく全員でごみ拾いをしました。袋がパンパンになるほどごみが落ちていたので、ビックリしました。

 片付けが終わると、現地を出て公民館に向かい、着いた時のエアコンの涼しさにとても感動しました。そして、もう一度、皿や鍋を洗い、干しました。昼食は公民館で作ってもらった親子丼を食べました。班で食べる最後のご飯でした。

 食べ終わると、6日間の振り返りを作文に書きました。作文の苦手な私もスラスラと書けました。閉会式で各班の代表が作文を読み上げました。みんなとても良かったです。このアドキャンを通して学んだことを、日常生活にもつなげていけたらなと思いました。    (青山ななせ)

2014年9月25日 無断転載禁止

こども新聞