石見・石西 「最新経済分析~日米経済の展望」

  「日本は財政破綻しない」

    国民が知らされない

        消費税の“カラクリ”


   講 師 岩本 沙弓氏(大阪経済大学客員教授)

   演 題 「最新経済分析~日米経済の展望」



 山陰中央新報社の「石見政経懇話会」「石西政経懇話会」は平成26年10月16日(木)・17日(金)に定例会を開催します。今回は、大阪経済大学経営学部客員教授の岩本沙弓(いわもと・さゆみ)氏を講師に迎え、「最新経済分析~日米経済の展望」と題して講演してもらいます。

 岩本氏は16年間、外国為替や金融市場のトレーダーだった経験を生かし、現場感覚の論評が特徴だ。例えば消費税増税だが、そもそも根拠とされた財政危機説が行き過ぎだと言う。国際金融市場では、日本が財政危機だという認識はない。このことは、岩本氏と対談した湖東京至氏(税理士・元静岡大学教授)も、次のように説明している。

『「国の借金が1,000兆円にもなって、子や孫の代まで借金を残すのは可哀想だ」と言うが、日本の借金には裏付けがある。内閣府作成のバランスシートを見ると、負債に匹敵する資産がある。このゆとりがあるから毎年毎年、国債を発行して予算を組むという状態が続いている』(岩本沙弓著「あなたの知らない日本経済のカラクリ」)

 国際金融市場で実際に取引をしているプロの間では、日本に潤沢な資産があるということは周知の事実だ。岩本氏は「社会保障と税の一体改革の特別委員会」で参院の参考人として証言した際にも、そういった疑問を述べたが、増税法案はすんなり通ってしまった。

 一方、この消費税には、一般に知られていない“盲点”がある。輸出企業だけが受け取れる「輸出還付金」という制度で、日本全体では毎年3兆円ほどになるという。政府の説明では「企業がモノを輸出し販売しても、当然の事ながら、海外の消費者から消費税はもらえない。一方、企業は原料や部品購入の際に、国内の下請け企業などに消費税を支払う。この部分を国が還付する」という決まりだ(岩本沙弓著「バブルの死角~日本人が損するカラクリ」)。湖東氏の調査によると、2012年度にトヨタ自動車は1,801億円、日産自動車906億円、ソニー635億円の還付金を受け取っている。消費税を「本来、国民が再配分によって受け取るはずの“富”と考えれば、疑問」と岩本氏は問題提起する。

 一方、アベノミクスについても手厳しい。「実体経済を伴わない景気拡大は反動も厳しく、その結果、国民の富が強者のみに流れてしまうことも有り得る。日本経済にはそういうルールが埋め込まれている」と言う。

 今回、こうした消費税の根本的な実体や問題点、また難航するTPP交渉や日米経済の先行き、さらにはアベノミクスの中間総括も含め、岩本沙弓氏にじっくりと語っていただく。ご期待下さい。

  (事務局長 友定雅紀)


<岩本 沙弓氏のプロフィール>

 青山学院大大学院国際政治経済学科修士課程修了。1991(平成3)年より日・米・加・豪の金融機関で、ヴァイス・プレジデントとして外国為替、短期金融市場取引を中心にトレーディング業務に従事。日本経済新聞発行のニューズレターに7年間、為替見通しを執筆。金融専門誌「ユーロマネー」で為替予想部門の優秀ディーラーに選出。著書に「あなたの知らない日本経済のカラクリ」(自由国民社)「バブルの死角~日本人が損するカラクリ」(集英社新書)「円高円安でわかる世界のお金の大原則」(翔泳社)「新・マネー敗戦」(文春新書)「マネーの動きで見抜く国際情勢」(PHPビジネス新書)「為替占領 もうひとつの8・15 変動相場制に仕掛けられたシステム」(ヒカルランド)「世界恐慌への序章 最後のバブルがやってくる」(集英社)「世界のお金は日本を目指す」(徳間書店)「実は世界No.1の日本経済」(潮出版)「これが日本経済<世界「超」最強>の仕組み」(ヒカルランド)など。

  (本会は会員制です)

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2014年9月30日 無断転載禁止