山陰きらりキッズ(20) 非凡な芸術力 地域に貢献」

地区の運動会で飾る作品の作業に取り組む藤原恵太君=島根県奥出雲町上阿井、自宅
絵画・藤原 恵太君 島根県奥出雲町立仁多中学校1年

 中国山地(さんち)の北側にある島根県奥出雲町に、地域から注目される、絵を描(えが)く少年がいる。同町立仁多(にた)中学校1年の藤原恵太(けいた)君(12)=奥出雲町上阿井(かみあい)。全国コンクールで最高賞に輝いた腕前(うでまえ)を買われ、地元の夏祭り「あたご祭」のポスターデザインを制作するなど、優れた芸術の力で町の活性化にも貢献(こうけん)している。

 幼(おさな)いころから鉛筆(えんぴつ)と落書(らくが)き帳(ちょう)を持ち歩き、自宅の牛やアニメキャラクターを描くなど、絵が大好き。小学校入学後は10回以上、毎年のように各種(かくしゅ)コンクールで入賞(にゅうしょう)を飾(かざ)ってきた。

 中でも小学5年の時には、全国各地の小中学生から約7万3千点の応募があった全国農業協同(きょうどう)組合中央会(JA全中)主催(しゅさい)のコンクール図画部門(ずがぶもん)で、1人しか選ばれない最高位(さいこうい)の内閣総理大臣(ないかくそうりだいじん)賞を受賞した。作品には奥出雲の花田植えの光景を描写(びょうしゃ)し「地元の活動(かつどう)を描いて賞を取れて良かった」と振(ふ)り返る。

 藤原君のモットーは「見たものをそっくりそのままに描く」。豊かな感性と表現力に基づく緻密(ちみつ)な筆遣(ふでづか)いの絵は、写真と見間違えそうになるほど題材に迫る。

 非凡(ひぼん)な才能(さいのう)から、地域の祭りや運動会といった行事(ぎょうじ)のデコレーションの制作依頼(いらい)が舞い込むこともしばしば。今年は初めて「あたご祭」のポスターデザインを担当し、祭りで担(かつ)がれるみこしを飾(かざ)る町内の施設(しせつ)に通って正確(せいかく)に表現(ひょうげん)。大役(たいやく)を果たした。

 「プレッシャーもあったけど、人に喜(よろこ)んでもらえるとうれしい」と藤原君。母のまゆみさん(37)は「農作業(のうさぎょう)などの手伝いでも手を抜かない。絵も同じで、納得(なっとく)するまで取り組む」と目を細める。

 仁多中では陸上(りくじょう)部に所属(しょぞく)し日々練習(ひびれんしゅう)に明(あ)け暮(く)れる。絵に割(さ)ける時間は以前より減ったが、弟の悠太(ゆうた)君(6)に頼まれたり、暇(ひま)さえあればペンや筆を手に持つ。「もっともっとうまくなりたい」。照(て)れ笑いの言葉に、強い意志をにじませた。

2014年10月4日 無断転載禁止

こども新聞