仕事みてある記 若き日の夢かない外国人客もてなし

通訳案内に備え、英字の観光書籍(しょせき)に目を通す楠田幸代さん=境港市竹内団地、夢みなとタワー
 通訳案内士
   楠田幸代(くすださちよ)さん(松江市西津田)


 「あこがれの仕事ができてとてもうれしい」。英字がびっしりと記されたパンフレットを片手に、笑顔(えがお)を見せる楠田幸代(くすださちよ)さん(47)。外国からの旅行客を有料でガイドする「通訳案内士(つうやくあんないし)」として、山陰両県で活躍(かつやく)しています。


 通訳案内士は国家資格(こっかしかく)。外国語の語学力や会話力があり、文化・歴史にも詳(くわ)しくないといけません。島根県では2012年に通訳案内士会が発足。現在、松江市西津田の山陰経済経営研究所に事務所を構(かま)え、英語や韓国(かんこく)語などの専門家24人が登録(とうろく)しています。

 楠田さんが資格を取ったのは13年。きっかけは、大学生時代のヨーロッパ旅行でした。通訳案内士の資格を持ち、国内外で活躍する女性添乗員(てんじょういん)の仕事ぶりを見て「いつか自分もこの仕事をしたい」と夢見ていました。

 現在は、同会を通じ、道の駅に置くパンフレットの英訳や島根県を訪れた旅行客の案内などを務めています。最近では、6月に境港に寄港した大型クルーズ客船「ダイヤモンドプリンセス」の乗客もガイドするなど、活躍の場を広げています。

 仕事で心がけているのは正しい文法でしっかりと事実を伝えること。来訪者からは「あの建物は何か」「土地の気候はどのようなものか」など、さまざまな質問が寄せられます。

 中でも多いのは、同じ地域の中に神社と寺の両方があるのは「なぜか」という問い。外国から訪れた人の多くは、キリストをはじめ、一つの神を信じるのに対して、日本人が神様も仏様も信じる姿が珍しいようです。

 外国人客向けに書かれた日本の観光パンフレット片手に「この仕事にゴールはない」と自覚する楠田さん。旅行客の関心に答えるために日々、山陰の歴史を記した本を読んだり、目についた神社や寺を調べるなど、自らの教養(きょうよう)を磨(みが)いています。

 出雲大社の大遷宮(だいせんぐう)に加えて高円宮家(たかまどのみやけ)の典子(のりこ)さんと出雲大社の千家国麿(せんげくにまろ)さんの結婚など、観光面で全国から注目を集めている島根。海外から訪れる旅行客への「おもてなし」が重要となる中で「通訳案内士としてはまだ駆(か)け出し。文化や歴史の知識を磨き、観光の盛り上げに役立ちたい」と力を込めます。

2014年11月6日 無断転載禁止

こども新聞