山陰きらりキッズ 「取った」一瞬の早わざ

神経を研ぎ澄(す)まして一瞬(いっしゅん)で札(ふだ)を払う並河辰樹(なびかたつき)君=益田市横田町、中市会館
かるた全国大会で優勝経験・並河辰樹(なびかたつき)君 益田市立横田中学校1年

 上級者に勝ちたい闘志(とうし)燃やす

 益田市横田町にある中市会館。ここは子どもたちがかるたを学ぶ道場です。畳(たたみ)の上に並んだかるたを静かに見つめる子どもたちは、だれ一人話すことはなく、静けさだけに包まれています。15分間で札(ふだ)の場所を覚えます。

 その中に益田市立横田中学校(益田市横田町)の1年生並河辰樹(なびかたつき)君(13)の真剣な表情がありました。2011年には、全国小中学生選手権大会の小学3年の部で優勝した経験があります。「あのときは言葉になりませんでした」。頂点に立った喜びは今も忘れません。

 かるたを始めたのは小学1年生のとき。西益田地区のかるた愛好者でつくる「西益田いなずま会」(兼子哲彦会長)に所属し、月5回の教室で技術を磨(みが)いています。母の志帆さん(44)も兼子会長から指導を受けており、親子2代で競技に打ち込み、「毎晩一緒に練習していました」。

 益田は歌人・柿本人麻呂(かきのもとひとまろ)の生誕と終えんの地とされ、かるたが盛んな土地柄(がら)。特に西益田では、約100年以上前から親しまれていたといわれています。指導者が長い伝統と歴史を伝え、子どもたちは成長していきます。

熱が入ったけいこを繰り返す子どもたち
 「始めた当時は、札を早く取るのが面白かった」と振り返るが、3年前の優勝を経験して変わったといいます。それ以降は「序盤(じょばん)は様子を見て、中盤一気に勝負する。そして終盤は逃げる」と自分の戦略をしっかりと持っています。

 けいこでも本番さながらに、素早く札に手を出し一瞬(いっしゅん)で払う。暗記時間も含めると対戦時間は1時間を超(こ)え、体力的にも精神的にも強くなければなりません。

 けいこが終わると子どもたちは、その日の反省点を一人ずつ話します。並河君は「絶対に取らないといけない場面で取りこぼした。きちんと流れを自分に持っていきたい」と冷静に振り返っていました。

 経験を積むごとに、理想のかるたができるようになっているといいます。現在2段の腕前(うでまえ)。公式戦は2、3段が同じ階級で実施します。「3段の人に勝ちたい。どんなに差が開いていても逆転して、負けないようになりたい」。中学生になって一回りも二回りも大きくなり、さらに上を目指し続けます。


≪プロフィル≫

【好きな科目】数学

【好きな食べ物】焼き魚(特にアユ)

【好きなタレント】本田圭佑(ほんだけいすけ)(サッカー)

【好きな言葉】挑戦(ちょうせん)

【尊敬(そんけい)する人】西郷直樹(さいごうなおき)(かるたの永世(えいせい)名人)

2014年11月6日 無断転載禁止

こども新聞