レッツ連歌(下房桃菴)・11月13日付

(挿絵・FUMI)
 第8回「浪速の芭蕉祭」の入選作の発表と表彰が、十月十九日、大阪天満宮で行われました。前句付の部では、われらがホープ、花田美昭さんの、

   女子高生にモテモテのキャラ

  親父から真面目にやれと励まされ

が、みごと次席入選。(この句、下五が「叱られて」だったら、まちがいなくボツになっていたことでしょう。)

 その他レッツ勢からは、吾郷寿海さん、石田三章さん、岡田忠良さん、塩田美代子さん、田中堂太さん、 三隅彰さん、源瞳子さん、山﨑まるむさん、吉川洋子さんの句が、大挙して佳作に選ばれました。

 なお、大賞は、連句界の大御所、矢崎硯水さんの、

  仙人が猿の腰掛けぶら下げて

 みなさん、他流試合にもどんどん挑戦してください。

           ◇

 プロに任せておけばよかった

虫眼鏡なけりゃ読めない説明書 (益田)石田 三章

長男が自己主張する遺産分け  (益田)竹内 良子

ビスとバネ七個余ったトラクター(松江)野津 重夫

逆立ちをしてる襖の梅の花   (安来)根来 正幸

雨の日は障子のシワがよく目立ち(大田)福田 葉摘

ちょっとだけ揃えるつもりだったのに
               (出雲)野村たまえ

お刺身は骨にこってり身が残り (松江)後藤 竹子

親切な近所の人に言えぬグチ  (飯南)塩田美代子

着崩れた留袖が泣く披露宴   (松江)森広 典子

名木といわれた松はこれですか (出雲)矢田カズエ

裏庭は雑木林に変わり果て   (江津)花田 美昭

お断りしますと言えばすんだのに(益田)小倉  豊

グチャグチャの恩師に贈る肖像画(松江)本田  章

呆然と部品散らかる中にいて  (大田)澤江 洋子

ウイルスを駆除してパソコンフリーズし
               (出雲)明石や小枝

手鏡を見るなりワッと泣き出す娘(益田)吉川 洋子

失敗のバツにうな重五人前   (浜田)勝田  艶

ネットなら簡単という落とし穴 (松江)岩田 正之

さっきから司会者ばかりしゃべってる
              (奥出雲)松田多美子

傷口をいじくり回すピンセット (大田)丸山 葛童

流木を拾い集めてきたギブス  (大田)掛戸 松美

苦心した粘土細工の総入れ歯  (松江)安東 和実


           ◇

 「ご乗客のみなさまの中に、お医者さまはいらっしゃいませんか」―。ドラマで見るようなそんな場面に、私はこれまで三度も遭遇しました。三度とも幸い、ちゃんとお医者さんがおられて応急処置をされ、大事には至りませんでした。プロってすごいな、と思います。

 私も、「連歌をなさるかたはいらっしゃいませんか」と緊急放送があれば、いちばんに手を挙げようと、つねづね心がけてはおりますが、いまだそういう機会に恵まれません。

 素人が髪を切って失敗した、という作品は、ずいぶんたくさん、いただきました。が、そのうち、たまえさんの「ちょっとだけ」と、洋子さんの「手鏡」と、この二句を入選とさせていただきました。理由はあえて申しませんが、みなさん、お分かりのことと存じます。

 大事なことを忘れていました¬¬¬¬¬―。

 選者をやらせていただいていなければ、だれより先にこんなに大笑いするなんて、生涯なかったことでしょう。

 一日も早きご完治のほど心よりお祈り申しあげます。

   松美 様

           ◇

 次は、

  同級生にばったりと会い

に、五七五の句を付けてください。

              (島根大名誉教授)

2014年11月13日 無断転載禁止

こども新聞