紙上講演 元NHKアナウンサー 国井雅比古氏

元NHKアナウンサー 国井雅比古氏
小さな旅して~人との出会いと発見

山陰から立ち位置再発信を

 山陰中央新報社の政経懇話会定例会が18、19日の両日、松江、米子両市内であり、元NHKアナウンサーの国井雅比古氏(65)が「小さな旅して~人との出会いと発見」と題して講演した。要旨は次の通り。

 担当した「プロジェクトX~挑戦者たち~」では多くの人に出会った。特に印象に残っているのは瀬戸大橋の建設を手掛けた技術者だ。現場主義を貫き「必ずできる」と仲間に言い聞かせて大事業を実現した。

 出会った人物には三つの共通点があった。一つ目が徹底した現場主義、二つ目がチャレンジ精神、最後の三つ目が諦めない信念だ。

 プロジェクトXでは、高度経済成長期の人物を多く取り扱った。戦後の何もないところから何かを生み出す-。どの時代においても必要とされる力だ。ただ、環境は変化している。グローバル化が進んだが、国家間の紛争や軋轢(あつれき)は増えた。不安が世の中を覆う「変な時代」だ。

 言い換えると、自分の足元すらどうなるか、どこへ向かうのか分からない時代になった。だからこそ「自分は何によって生かされてきたのか」を再認識し、今の立ち位置を確認する作業が求められている。

 山陰地方は、包み込む自然があり「自分とは」や「生きている価値」を再認識するのに恵まれている。山陰両県の人たちが立ち位置を見つめ直す作業を率先して実践すれば、日本全体に活力が生まれるだろう。

2014年11月20日 無断転載禁止