レッツ連歌(下房桃菴)・12月25日付

(挿絵・麦倉うさぎ)
◎スーパーの隣に新居建てました

車庫の代わりに増えた一部屋  (益田)石田 三章

◎このままのアナタ残すの忍びなく

持ち帰り用タッパーに詰め   (大田)掛戸 松美

二人揃って介護施設へ     (松江)庄司  豊

◎チャンネルを回して見てた力道山

うちの電話はまだ黒電話    (出雲)吾郷 寿海

◎子の出番すめばさっさと引き上げて

昼休憩のパートママたち    (大田)福田 葉摘

◎町内でAKBを作るって

最年少が四十八歳       (松江)半田 有行

手作り衣装のウエストLL   (松江)花井 寛子

総選挙ではなくてジャンケン  (松江)相見 哲雄

◎天災は忘れたころにやってくる

正攻法で保険の勧誘      (出雲)矢田カズエ

妻の怒りはどのことだァかァ  (雲南)佐藤 風子

◎床の間にデンと構えてデカい顔

鑑定団で千円の壺       (出雲)原  陽子

◎大臣に女性が減った委員会

輝くなんて軽く言われて    (益田)吉川 洋子

◎そばにいてくれるだけでと囁かれ

高齢婚活冷える年の瀬     (松江)森広 典子

一生棒に振った婆ァちゃん   (江津)岡本美津子

その気になった私バカよね   (浜田)佐伯智恵美

◎なにかしらママは決意をした様子

一月分から千円減額      (松江)植田 延裕

◎ストレスは溜めないことにしているの

とか言ってまたこれ買うのかい (益田)田原 静枝

◎一か月前のリストラ言い出せず

コンビニで買う濃い味弁当   (出雲)原  幸子

◎案山子には昔の衣装着せてある

十二単の袖は鳥の巣      (江津)花田 美昭

◎ヘソクリを隠してたこと思い出し

妖怪ウォッチ孫にせがまれ   (出雲)放ヒサユキ

四十九日の法要を終え     (松江)持田 高行

◎もしかしてどこでもドアを持ってたり

恐れ入ったか明智光秀     (益田)黒田ひかり

◎三人で分けろとくれた五千円

長男だからいつも損する    (江津)江藤  清

五十過ぎてもジャンケンをする (松江)水野貴美子

◎年越しのソバも食べずに揉め出して

讃岐うどんを知らぬ新妻    (松江)中西 隆三

◎女房の目をごまかした菊花賞

黙っていたいが口がムズムズ  (浜田)三隅  彰

◎これからが佳境に入る里神楽

鳥居の陰でそっと抱き合う   (益田)小倉  豊

◎終電の時間が迫るコンサート

夜明けのコーヒーどうと誘われ (飯南)塩田美代子

◎早炊きの赤飯あればザッとすみ

きょうは夫の古希のお祝い   (浜田)松井 鏡子

◎元を取るまでは居すわるバイキング

子どもの迎えジィジに任せて  (益田)竹内 良子

お相撲さんに店主真っ青    (益田)石川アキオ

◎ほんとうは嬉しいくせに嫌なフリ

エー僭越でございますけど  (奥出雲)松田多美子

碁盤の上に落ちる雨だれ    (松江)岩田 正之

◎三個目の鳴らなくなったオルゴール

ホラー映画のタイトル決定   (出雲)飯塚猫の子


           ◇

 中国大返しですか。ひかりさんの句は絶品!

 豊さんの句は、…なにが佳境に入るんですか。

           ◇

 連句形式で続けてきた第四木曜、今年はここでケリをつけて、来年は新たに、

  羊が五匹でもうイビキかき

という幸せな句から始めましょう。

 まずはこの句に、五七五を付けてください。

           ◇

 それから、一月スペシャルの前句―。

  勝ち負けよりも大切なもの

 こちらの付句も五七五です。

           ◇

 それでは、みなさん、いいお年をお迎えください。

               (島根大名誉教授)

2014年12月25日 無断転載禁止

こども新聞