レッツ連歌(下房桃菴)・1月22日付

(挿絵・FUMI)
 羊が五匹でもうイビキかき

白河を夜船で渡るお正月    (松江)半田 有行

初夢は一富士二鷹三茄子    (松江)植田 延裕

跡取りの結婚式がやっと済み  (雲南)横山 一稔

大晦日トリの嵐を見終わって  (出雲)飯塚猫の子

平成の紅白のトリ見たことない (松江)山崎まるむ

水炊きに一杯あれば極楽で   (松江)余村  正

明日は毛を刈られることも知らないで
               (松江)福田 町子

バーゲンは亭主ばかりがくたびれて
               (松江)岩田遊志朗

ほんとうにこの番人でいいのかな(松江)庄司  豊

長男の嫁の苦労も知らないで  (安来)根来 正幸

眠れないストレス溜まり疲れはて(川本)高砂瀬喜美

悪ガキもよい子に変わるクリスマス
             (出雲)はなやのおきな

ばあちゃんとお手玉をしたお正月(江津)江藤  清

大騒ぎしてた奴ほど他愛なく  (美郷)源  瞳子

女房で効き目を試すニューサプリ(雲南)安部 小春

ほんとうはただの小麦粉なんだけど
               (松江)水野貴美子

餅三斗やっとのことで搗き終えて(松江)中村 清子

せっかくの勝負下着がムダになり(松江)川津  蛙

年明けを待たずに起こす不機嫌さ(浜田)滝本 洋子

年明けてさらに図太くなったキミ(益田)黒田ひかり

晩酌もめっきり減ったお父さん (松江)加茂 京子

午年が逝って治った不眠症   (出雲)行長 好友

ドンべでも市民マラソン完走し (松江)森  笑子

大部屋を一斉に飛ぶ週刊誌   (美郷)吉田 重美

空室は階段下の布団部屋    (松江)岩田 正之

大物になると爺さん覗き込み  (大田)杉原サミヨ

ほっといて街へくり出す妻と子ら(益田)可部 章二

そのとたんおまけの寝言始まって
            (千葉・浦安)伊奈 咲蘭

狼の親子今夜はザコ寝して   (松江)中西 隆三

除夜の鐘ふたりで衝くと言ったのに
               (松江)佐々木滋子

人の気も知らぬ顔して背中向け (雲南)渡部 静子

幸せな夫を持った不幸せ    (松江)安東 和実

睡眠時無呼吸症候群かしら   (出雲)西尾 佳子

就活の孫に婆さま毛布掛け  (津和野)岡田 忠良

ねぇあなたヴィトンのバッグ欲しいのよ
               (浜田)宇津崎育枝

さっきまで小言さんざん並べたて(松江)永瀬 秋風

くすぐって狸じゃないか確かめる(出雲)原  陽子

寝たフリもしなきゃ終わらぬ妻のグチ
               (雲南)難波紀久子

ほんとうネ連れて来るんじゃなかったワ
               (出雲)放ヒサユキ

これからが夫婦タイムと注ぐワイン
               (益田)石川アキオ

幸せな人だと妻はウイスキー  (松江)田中 堂太


           ◇

 小中学校の国語の教材としてよく取り上げられる句に、「米洗ふ前を蛍の二つ三つ」というのがあります。作者不詳ながら、江戸時代の作品とされております。この句の初案は「米洗ふ前に…」であったのを、「前へ」と直し、さらに「前を」と直して名句になった、などという逸話が伝えられております。できすぎているようにも思うのですが、この話、助詞「を」の機能を、うまく説明してくれています。

 重美さんの句、元は「大部屋で…」とあったのを、勝手ながら直させていただきました。

           ◇

 さて今年も、第四木曜は連句形式で進めます。まずは、今日の入選句に七七の句を付けてください。

 クリスマス・イブには、どなたのどんな作品が並ぶのか、今から楽しみです。

  (島根大名誉教授)

2015年1月22日 無断転載禁止

こども新聞