(59)達磨図(益田)

益田市立雪舟の郷記念館の収蔵品に新たに加わった雲谷等屋作の「達磨図」
 雪舟の流れくむ水墨画

 はげ上がった頭にぎょろりとした目玉、荒々しく伸びたひげが印象的なだるまさんの顔。益田市ゆかりの画僧・雪舟の画法を基盤にした雲谷派の画家・雲谷等屋(とうおく)の水墨作品「達磨(だるま)図」が昨年11月、同市乙吉町の市立雪舟の郷記念館の収蔵品に仲間入りした。

 桃山時代に雲谷派を開いた初代の雲谷等顔(とうがん)の長男等屋の手による作品で縦116センチ、横48センチ。広島城主・福島正則に仕えた等屋は宗家を継がずに早世し、確認されている作品は兵庫県内の寺院が所蔵している「達磨図」と本作の2点だけ。同記念館の川﨑由美子館長によると、雲谷派の画風の継承を研究する上で貴重な作品という。

 市内の叙勲受章者の有志でつくる益田市叙勲者会(小野沢明男会長)から寄付された50万円を活用し、京都市内の骨董(こっとう)品店で購入した。同記念館が収蔵する約250点のうち雲谷派の作品は20点となり、国の重要文化財に指定されている雪舟自身の作品「益田兼尭(かねたか)像」などと合わせ、関連資料の充実を図っている。

 川﨑館長は「禅宗の始祖のだるまさんは雪舟もテーマに描いており、当館にふさわしい作品」と位置づけ、「表情や風貌が独特で、鑑賞者にも親しみやすい」と魅力を語る。

 保存や管理の都合上、常設展示はできないというが、ゴールデンウイークに合わせて展示を計画しているほか、秋に市内で開かれる「雪舟サミット」の期間中も公開する予定で、独自の世界が楽しめる。

 問い合わせは雪舟の郷記念館、電話0856(24)0500。

2015年1月8日 無断転載禁止