紙上講演 経営コンサルタント・税理士 古川 英夫氏

経営コンサルタント・税理士 古川 英夫氏
リーダーのための発想術・決断術

経営演繹法と帰納法で

 山陰中央新報社の米子境港政経クラブの定例会が27日、米子市内であり、経営コンサルタントで税理士の古川英夫氏(58)が「リーダーのための発想術・決断術」と題して講演した。会社経営の在り方を「演繹(えんえき)法」と「帰納法」という二つの思考法の違いを用いて説いた。要旨は次の通り。

 思考法には、目的からスタートする演繹法と、手段を講じることを先に考える帰納法がある。

 仕事そのものを人生の目的とする創業者や経営者は演繹タイプが多い。アイデアマンだが、いろいろな事業に手を出した結果、エネルギーが分散して本業が駄目になることがある。

 例えば、ダイエーは創業者の故中内功氏が、晩年には人の話を聞かずに自分のやりたい事業をやり過ぎたため、経営悪化を招いた。

 経営者の行き過ぎに歯止めを掛けるには、演繹法と(手段や過程を重んじる)帰納法の両方にまたがり、バランスのとれた思考ができる幹部が必要だ。

 一方、社員は帰納タイプが多く、言い訳を並べて挑戦せず、マイナス思考になりがちだ。

 社員に対し「マイナス思考をやめてプラス思考になろう」「できない言い訳はするな」と言う経営者は多いと思う。だが、私は「問題解決はマイナス思考で」と言っている。

 マイナス思考は悪い意味で捉えがちだが、社員にできない理由をとことん言わせることで、克服すべき要素が発見できる。

 演繹法と帰納法という観点で組織を見直すことは決して無駄にならない。世の中は相反するタイプの組み合わせで、バランスをとりながら動いていく。物の考え方が片方に偏ったら、もう片方を取り入れるようにして組織の運営をしてほしい。

2015年1月28日 無断転載禁止