きらめく星たち シリウス

シリウスの光跡(こうせき)(中央上側の最も明るい線)=隠岐(おき)・知夫里島(ちぶりじま)で撮影(さつえい)
一番明るい星だよ

 シリウスはぜひ知っておいてほしい星の名前です。なにしろ一番明るい星なのですから。

 シリウスの意味は「焼き焦(こ)がすもの」。ずばりそのぎらぎらした輝(かがや)きを表しています。古代ギリシャでは「犬の星」と呼(よ)ばれ、星座(せいざ)でもおおいぬ座の中にあります。昔の中国での呼び名は「天狼星(てんろうせい)」。青白い光を、狼(おおかみ)の鋭(するど)い目にたとえたのでしょう。冬、有名なオリオン座が南に見えているときなら、その左下にあり、空のあまり高くないところに目立っていて、すぐに見つかります。

 冬によく見えるシリウスは、逆(ぎゃく)に夏には太陽とともに昼間出ています。太陽とシリウスが一緒(いっしょ)になって地面を照(て)らすので夏は暑いのだ、という迷信(めいしん)がヨーロッパではあったほど、シリウスは明るさで際(きわ)だった存在(そんざい)です。

 ところで、シリウスより明るく見える天体もあります。太陽、月、金星、木星、それに地球に近づいたときの火星です。太陽以外は、太陽の光を反射(はんしゃ)して光る天体ですから、シリウスは自分で光る星、すなわち恒星(こうせい)としては太陽の次に明るく、夜空に見える恒星の中で最も明るい星といえます。

 要するに、星座を作る星の中で一番明るいのです。もっとも、シリウスが明るいのは、距離(きょり)が8・6光年、つまり光の速さで8年半あまりで行けるという、恒星としては近いところにあるからで、とりわけ特別な性質があるわけではありません。

 星は3等星、2等星、1等星と数字が小さくなるほど明るくなります。オリオン座の砂(すな)時計形の右下の星はリゲルといって、たいへん明るい0等星ですが、マイナス1・5等星のシリウスは、このリゲルに比(くら)べ計算上は4倍も明るいのです。

 ここに書いたような圧倒的(あっとうてき)な明るさをシリウスに感じるのか、これはみなさんに実際(じっさい)に見てもらうしかありません。ぜひ確(たし)かめて、感想を聞かせてください。

 (島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ))

2015年2月11日 無断転載禁止

こども新聞