(61)大麻山神社庭園(浜田)

美しい新緑が広がる春の大麻山神社庭園(資料)
 四季折々の美しい景色

 日本海をはじめ、島根半島や三瓶山、中国山地を一望できる標高約600メートルの大麻山(浜田市三隅町室谷)頂上付近にある大麻山神社。神社を仰ぐ社務所裏には、季節や時間帯、天気で異なる景色を見せる美しい枯山水の庭園が広がっている。

 庭園は、同所で廃寺となった尊勝寺書院北庭で、面積は約1980平方メートル。3個の立石で仏教の三尊仏を表した三尊石組や、水が流れているように見立てた滝石組を置き、仏教観を表している。

 記録は残っておらず、庭園の正確な起源や形状は分からないが、滋賀県彦根市の「楽々園」の庭園に似ていることから、作庭期は江戸時代初期とされる。山に生えるヒイラギやサザンカ、三尊石組は作庭当時からのもので、その他のツツジやサツキといった樹木は、同神社の宮司で庭師の白須信男さん(65)の祖父が大正末期から昭和初期にかけて庭を修復し、復活させた際に植栽したという。

 庭園はこれまでに、作庭家で庭園研究家としても知られる重森三玲氏(1896~1975年)や、その長男の完途氏(1923~92年)が書籍などで何度も紹介。毎日、県内外から来訪者があるという。

 四季折々で風情は異なり、春には庭一面に緑のじゅうたんを引いたような新緑の景色が広がり、時季になると、ツツジやサツキが順々に花をつける。高くそびえる木々の間からは日本海を垣間見ることができるほか、天気が良ければ、日御碕(出雲市)や三瓶山を望むこともできる。

 朝もやや月明かりでも雰囲気は異なり、白須さんは「何度も上がって来てほしい」と話す。

2015年2月19日 無断転載禁止