紙上講演 政治評論家 浅川博忠氏

政治評論家 浅川博忠氏
安倍政権と野党再編の行方

  安保法制が大きな焦点

 山陰中央新報社の米子境港政経クラブ、島根政経懇話会の定例会が19、20の両日、米子、松江両市内であり、政治評論家の浅川博忠氏(72)が「安倍政権と野党再編の行方」と題して講演した。安倍政権について、安全保障法制の整備をめぐる議論が、今後の政権運営の大きな焦点となるとの見方を示した。要旨は次の通り。

 安倍政権は、民主党政権が残した負の遺産の影響もあり、発足して2年3カ月、高い支持率を得ている。与党が強く、野党は多いが弱い「1強多弱」で、自民党内からも安倍(晋三)総裁にモノが言えない状況になっている。

 党の内規を変え、2期6年までとなっている総裁の任期を3期9年とし、2020年開催の東京オリンピックまで続投できるようにするという観測もある。

 野党をめぐっては、民主党が弱く、維新の党は人間関係を含め、分裂の要素が底流にあり、再編どころか「野党分散」の可能性がある。そうなれば、安倍総裁はさらに強い立場となる。

 一方で弱点はある。アベノミクスにより、確かに大企業の株価は上がった。ただ、下請け企業は賃上げが厳しく、企業間、地方間の格差は縮まっていない。

 さらに、政府は集団的自衛権行使を可能にするなど、自衛隊活動の拡大を図る関連法案を5月の大型連休明けを目指し、国会に提出する予定だ。日本を戦争に巻き込むのか、そうでないのか、与野党で激しい攻防戦が展開される。国民の意見は真っ二つに割れ、成立を急げば支持率は落ち込む。

 自民党内のリベラル派も反対し、9月の総裁選対抗馬の本命は、谷垣禎一幹事長となるだろう。

 関連法案は一つのカーブに差し掛かるかどうかの法案。関心を持ってほしい。

2015年3月22日 無断転載禁止