レッツ連歌(下房桃菴)・4月9日付

(挿絵・FUMI)
 「レッツ連歌」連載500回を祝う会、盛大に開いていただきました。

 お互い名前は知っていたけれど、顔を合わすのは初めて、という方同士の会話が面白かったですね。「おや、女の方でしたか」みたいな声、今回もあちこちで聞かれました。

 お名前(ペンネーム)だけでは性別が分かりづらいというケースもあるのでしょうが、それだけじゃない。女性が男性のような句を詠んだところで、この世界、なんの不思議もないのですが、とはいうものの、読者はついついだまされる。ここらがフィクションの楽しいところ。短歌や俳句の会では、こういうことはあまりないのじゃないかと思います。

 お世話願った植田延裕さん、川津蛙さん、どうもありがとうございました。

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 バアちゃんはデイサービスへ紅を引き

意中のカレは五十歳下     (美郷)芦矢 敦子

他人が口を出すことじゃない  (松江)原  野苺

初恋のカレ杖で出迎え     (出雲)平井 悦子

誕生会でもらう花束      (松江)森廣 典子

ついでに髪も紫に染め     (浜田)山崎 重子

いま取り返す銃後の青春    (美郷)源  瞳子

はしゃぎすぎたか午後は居眠り(津和野)岡田 忠良

若いナースと張り合っている  (松江)加茂 京子

笑顔で送る評判の嫁      (益田)竹内 良子

欄間の写真にウインクをして  (益田)可部 章二

健康手帳は巾着の中      (益田)黒田ひかり

そんな顔して息子見るなよ   (浜田)滝本 洋子

昔のカレはいま独り者     (出雲)黒田千華子

オレオレ詐欺に騙されたフリ  (川本)高砂瀬喜美

宣告をした医者が驚く     (美郷)吉田 重美

ピンクの帽子とてもかわいい  (松江)今岡笑美子

ボケかホンキか家族気をもみ  (松江)永瀬 秋風

ハイヒールまで履くと言い張り (松江)三島 啓克

矢絣袴でモテたあのころ    (松江)河本 幹子

送迎バスの急き立てる音    (大田)丸山 葛童

お腹空いたと留守番の猫 (三重・伊勢)木村 ふう

豹柄コート粋に着こなし    (益田)石川アキオ

孫に内緒で使う品々      (川本)栂野  菊

マチガイせぬか家族案じる   (出雲)伊藤 玲子

チンと鳴らして扉閉じけり   (松江)高木 酔子

自慢話とグチはご法度     (松江)森  笑子

壁ドンされてみたいもんだわ  (出雲)吾郷 寿海

たいくつそうにタマあくびする (松江)水野貴美子

老人の主張春の大会      (雲南)糸原恵美子

若いころにはなかった合コン  (松江)安東 和実

ハデなバスから園児ぞろぞろ  (江津)花田 美昭

みんな私の歌を待ってる   (奥出雲)松田多美子

薬飲むこともう忘れてる    (雲南)安部 小春

迎えの車きょうは遅いね    (出雲)石飛 富夫

勘違いとは言わないでおく   (江津)江藤  清

お姫様だっこしてくれるもん  (江津)岡本美津子

氷川きよしのニセモノが来る  (出雲)原  陽子

初音聞いたと書く日記帳    (松江)岩田 正之

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 秋風さんの句は、ボケは心配だけれど、ホンキだったらもっと心配、というところでしょうか。

 酔子さんの「チン」は、電子レンジなんかでは、もちろんありません。じゃあ何かというと、…いや、そこまでは申さぬのがレッツ流。作者がお伏せになったことを、選者がバラす訳にはまいりません。

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 次の前句は、

  我(あれ)を措(お)きて人はあらじと誇ろへど

 憶良の「貧窮問答歌」の一節です。あえて旧仮名にしておきましたが、それは気にせず、楽しい七七の句を付けてください。      (島根大名誉教授)


 ▽投句案内 投句あて先は〒690-8668松江市殿町383、山陰中央新報社編集局「レッツ連歌」係。はがき1枚につき3句まで。住所、氏名、年齢を明記してください。締め切りは4月16日(当日消印有効)。

2015年4月9日 無断転載禁止

こども新聞