仕事みてある記 女性の感性生かし生菓子作りに精進

季節感を繊細に表現した生菓子作りに、ひた向きに取り組む原田真紀子さん=松江市天神町、桂月堂
 和菓子職人(わがししょくにん)

   原田 真紀子(はらだ まきこ)さん (松江市天神町)



 「和菓子(わがし)の材料は植物です。カロリー控(ひか)えめでヘルシー。若い方にも、もっと食べていただきたいですね」。菓子どころ松江の老舗(しにせ)・桂月堂(けいげつどう)(同市天神町)で働く和菓子職人(しょくにん)、原田真紀子(はらだまきこ)さん(30)は女性の感性(かんせい)を生かし、季節感を繊細(せんさい)な技術(ぎじゅつ)で表現した生(なま)菓子作りに精進(しょうじん)しています。


 ピンク色と白のあん生地(きじ)を重ねて伸(の)ばし、こしあんを包(つつ)みます。黄色のあんでメシベをあしらい、竹ひごを束(たば)ねた手作りの調理器具で線を入れ、花びら一枚一枚(いちまいいちまい)を表現(ひょうげん)します。ピンクと白のコントラストをつけた淡(あわ)い色合いが「和」の風情(ふぜい)。「ぼたん」と名付けた生菓子を次々とこしらえていきました。

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 子どものころは、洋菓子屋さんに関心がありましたが「和菓子もいいな」と思いました。「和菓子作りに女性の感性を取り入れたい」と桂月堂が出していた求人が目に留(と)まり、職場訪問(しょくばほうもん)した時です。松江商業高校で就職(しゅうしょく)活動に取り組んだころでした。

 「入社したら女性の職人は私一人。和菓子作りもゼロからのスタート」でした。重い調理器具を扱(あつか)う力仕事が多く、やけどもたびたび。でも「何でも自分でやりたい」と意欲(いよく)的に取り組みました。高い技術を国が証明(しょうめい)する菓子製造技能士(せいぞうぎのうし)の最上級1級に加え、食品の安全や添加物(てんかぶつ)などの知識(ちしき)を持つプロを認定(にんてい)する国家資格(しかく)・製菓衛生師(えいせいし)を取得。「全国菓子研究団体連合会」のコンテストで準(じゅん)グランプリに輝(かがや)き、他(た)の技術研究発表会でも受賞を重ねています。

 4年前からは、季節の生菓子を年間約30種類、デザインを考え製作する役割を担(にな)っています。後輩(こうはい)を指導する立場でもあります。自然と親しむことを大切にし、花言葉も勉強するなど、季節感を形にする感性を磨(みが)くのに余念(よねん)がありません。

 松江は7代藩主(はんしゅ)・松平不昧(ふまい)が愛した茶の湯が暮(く)らしに根付き、京都、金沢と並(なら)ぶ日本有数の和菓子どころです。「お茶とお菓子が深く結びついた歴史・文化があったからこそ、私も和菓子職人になれたと、感謝(かんしゃ)しています」。「一番難(むずか)しいあん作りの技術を身に着け、完成まで一人で手がけた菓子を、お店に並べるのが夢(ゆめ)。若い方にアピールする、和と洋の要素が溶(と)け合(あ)ったお菓子も作りたい」と、ひた向きに仕事に打(う)ち込(こ)んでいます。

2015年4月22日 無断転載禁止

こども新聞