きらめく星たち ミザールとアルコル

北斗七星。右から2番目の星がミザールで、アルコルが寄り添って見える。線で囲んだ中は拡大写真=三瓶自然館サヒメルで撮影(さつえい)
北斗七星(ほくとしちせい)の寄(よ)り添(そ)う星

 春の夜空を見上げると、頭の真上近くにわかりやすい星の並(なら)びがあるのに気付きます。七つの星でひしゃく形。そう、北斗七星(ほくとしちせい)です。器(うつわ)の口が下を向いているので水がこぼれてしまいますが、もっとも高く昇(のぼ)ったときの北斗七星はそんな向きになります。

 ひしゃくの柄(え)の端(はし)から2番目の星は、ミザールという名前。その星のすぐ脇(わき)にはかすかに光る星があり、アルコルと呼(よ)ばれます。このアルコルが見えるかどうか、確(たし)かめてみてください。昔アラビアでは、その星が視力検査(しりょくけんさ)に使われていたそうで、見えれば目がいいということになります。

 日本では、40歳(さい)を過(す)ぎると目が悪くなって見えなくなるという意味から、アルコルを「四十ぐれ」などと呼(よ)びましたが、もし、見えなかったからといって、がっかりすることはありません。目の調子が原因(げんいん)ではなく、空の明るさや空気の揺(ゆ)れによって、見えにくくなることもあるのです。

 そんなときは、双眼鏡(そうがんきょう)を使いましょう。簡単(かんたん)なオペラグラスでも構(かま)いません。寄(よ)り添(そ)う二つの星がしっかり見えるはずです。このような接近(せっきん)した二つの星を二重星といいます。

 ところでミザールとアルコルの間は、実際(じっさい)には3光年(こうねん)、つまり光の速さで3年もかかる距離(きょり)があります。この二つの星が、たまたま近くに見えるだけの関係なのか、それとも互(たが)いに力をおよぼし合っているのかは、今のところわかっていません。

 もし望遠鏡(ぼうえんきょう)でミザールを拡大(かくだい)して見たら、それが二つに分かれて見えるはずです。ミザールだけでも二重星なのです。この二つの星は間違(まちが)いなく、お互いを回りあっています。

 二つの星が並んだ二重星は、実は夜空にたくさんあります。それらはまた、別の機会に紹介(しょうかい)することにしましょう。

 (島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ))

2015年5月7日 無断転載禁止

こども新聞