記事書き方の変化紹介 米子高専で出前授業

記者の役目や記事の読み方などを伝える境港支局の高橋利明支局長
 教育現場での新聞活用を進める鳥取県NIE推進協議会の出前授業が7日、米子工業高等専門学校(米子市彦名町)であった。山陰中央新報社境港支局(境港市上道町)の高橋利明支局長(36)が、裁判員裁判の導入を踏まえて事件記事の書き方が変わりつつあることや、地域に根差した取材活動のやりがいなどを約40人に伝えた。

 同じ話題でも新聞各紙で取りあげ方が異なることを、元WBCバンタム級王者・辰吉丈一郎氏の次男がプロデビューしたと伝える4月の記事を通じて紹介。一紙だけが全盛時の辰吉氏の写真を掲載したとし、「記者の視点が入り、記事が違ってくる。図書館で読み比べてほしい」と呼び掛けた。

 推定無罪という刑事事件の原則を重視し、記事の表現が変化していることも伝えた。傷害の現行犯逮捕事案を報じる2000年と15年の山陰中央新報の記事を比較。以前はなかった「傷害の疑い」という言葉を15年の記事には入れ、裁判員らに予断を与えない工夫を重ねていると強調した。

 歴史の記憶を後世にとどめるのも記者の役目だと訴えた。境港で発生した旧日本軍の徴用船「玉栄(たまえ)丸」の爆発事故現場を切り取った写真家・植田正治氏=境港市出身=の写真を発掘して特報した経緯を振り返り、「悲惨さを伝えたかった」と語った。

2015年5月8日 無断転載禁止

こども新聞