きらめく星たち 金星(きんせい)

午後9時半ごろに見えていた金星(中央の明るい星)=5月10日、出雲市芦渡(あしわた)町で撮影(さつえい)
いまは「よいの明星(みょうじょう)」だよ

 太陽と月を別にすると、空で一番明るく見える天体は何でしょうか。答えは、太陽の周りを回る惑星(わくせい)の一つ、金星(きんせい)です。

 金星は地球よりやや小さく、決して大きな惑星とはいえませんが、地球に近いこと、また、表面を覆(おお)っている分厚(ぶあつ)い雲が太陽の光をよく反射(はんしゃ)することから、非常(ひじょう)に明るく輝(かがや)きます。1等星というと星座の中でかなり目立つ星ですが、その100個分以上という圧倒(あっとう)的な明るさで金星は光っています。

 八つある惑星のうち、太陽に一番近いところを回っているのが水星(すいせい)、2番目が金星です。地球はさらに外側の3番目を回っています。その地球からだと、太陽のすぐ近くにある水星は、ほとんど太陽と一緒(いっしょ)に昼間の空に出ているため、なかなか見やすいときがありません。

 一方、水星に比(くら)べると太陽から離(はな)れている金星ならそんなことはなく、太陽が沈(しず)んだあとか昇(のぼ)る前のどちらかの時間帯でよく見えることが多いのです。

 日没(にちぼつ)のあと西の空に見える金星は「よいの明星(みょうじょう)」、日の出前の東の空に見える金星は「明(あ)けの明星」と呼(よ)ばれています。今年は7月末ぐらいまで、よいの明星として見えています。特に近ごろは、金星が見かけの上で太陽から最も離(はな)れている時期ですので、たいへんよく観察できます。

 夕暮(ゆうぐ)れ時には、かなり高い位置に一番星として見え、沈むのもずいぶん遅(おそ)い時刻(じこく)です。きょう(5月20日)の夜だと、松江で金星が沈むのは午後10時40分で、さすがに真夜中に見えることはありませんが、実は真夜中近くまで見えていることがあるのです。

 いまなら金星より高いところの木星(もくせい)も明るいのですが、とにかく一番明るいものが金星ですから、見間違(みまちが)えることはないでしょう。夕方の薄明(うすあ)かりの中の金星、夜遅くの暗闇(くらやみ)に輝く金星。ぜひ、どちらも観察してください。

 (島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ))

2015年5月20日 無断転載禁止

こども新聞