仕事みてある記 安全第一、時刻通り 強い責任感、使命感

「電車運転は安全第一、時刻通り」と責任感を強調する酒田健一さん=出雲市平田町
 電車運転士

   酒田 健一(さかたけんいち)さん (出雲市平田町)



 「時間通りに、何事もなしに乗り心地(ごこち)よく、終着駅に着く。当たり前ですが、責任(せきにん)を果たせるとホッとします」。一畑(いちばた)電車(出雲市平田町)の電車運転士・酒田健一(さかたけんいち)さん(36)は今日(きょう)も多くの人命を預(あず)かり宍道湖(しんじこ)岸を走る「ばたでん(愛称(あいしょう))」を安全安心、快適(かいてき)に走らせる使命感と責任感を胸(むね)に運転しています。


 出発5分前に運転席に着きます。ダイヤや計器類を点検(てんけん)、発車のベルが鳴り終わると乗客の乗り降(お)りがないこと、信号機の「青」を確認(かくにん)した後、ドアを閉(し)めます。その都度(つど)「車内よし」「車外よし」「出発信号機、青」などと、声に出しながら左手で「指差(しさ)確認」。「出発進行」の掛(か)け声とともにブレーキを緩(ゆる)めアクセルレバーを引くと、電車はゆっくり走り出します…。

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 鳥取県伯耆(ほうき)町生まれ。岸本(きしもと)小1年の時に、家族で楽しんだ中国地方一周列車の旅が忘(わす)れられず、中学生のころ電車運転士になりたいと思いました。鉄道会社に入らなければなりません。根雨(ねう)高を経(へ)て大阪(おおさか)観光専門(せんもん)学校に進学。旅行業務(ぎょうむ)を学び、当時の一畑電気鉄道に入社しました。

 観光部門に配属(はいぞく)後、5年目に鉄道部門に異動(いどう)。念願(ねんがん)の電車運転士の道です。京王(けいおう)電鉄(東京)の養成所に入校。8カ月間、運転に必要な法規(ほうき)や理論(りろん)、車両構造(こうぞう)、制御(せいぎょ)・制動などの学科と、運転技能(ぎのう)訓練を受け「動力車操縦(そうじゅう)者運転免許証(めんきょしょう) 甲種(こうしゅ)電気車」の国家資格(しかく)を取得しました。

 勤務(きんむ)は3勤1休で、12パターンあります。午前5時36分出勤から午後11時50分終業までの時間帯で、日勤、泊(と)まり、泊まり明けを組み合わせます。松江しんじ湖温泉(おんせん)駅~電鉄出雲市駅間を1日2、3往復(おうふく)、多い時は200キロを超(こ)える距離(きょり)を走り、無人駅での集改札も。天気が悪い時、特に雪の日は見通しが利(き)きにくく、事故(じこ)の危険性(きけんせい)も高まります。「でも安全第一に、時刻(じこく)通りに運行しなければなりません。とても神経(しんけい)を使います」

 一畑電車は年間約140万人が利用しています。通勤・通学など“住民の足”に加え、観光客が増(ふ)えています。映画(えいが)の舞台(ぶたい)になり、レトロな車両が注目を集め、国内最古級の車両を走らせる体験運転も人気です。「地域(ちいき)に支(ささ)えられていることを常(つね)に忘れず、気持ちよく乗ってもらえるように、心がけています」。

2015年5月20日 無断転載禁止

こども新聞