(65)今福小学校の青い目の人形 キャサリン(浜田)

今福小学校に展示されている青い目の人形「キャサリン」(左)と「ヘレン」
 校舎に隠され処分逃れる

 戦前に友情の証しとして米国から日本に贈られた人形のうちの1体が、浜田市金城町今福の今福小学校に残っている。人形の名前は「キャサリン」。戦時中の焼却処分を免れ、時を経て同校で発見された。国と国をつなぐ懸け橋に、という願いを託されて海を渡った人形は戦争を乗り越え、今も変わらず子どもたちに平和の大切さを伝えている。

 人形の贈呈は、戦前、対立が強まりつつあった日本と米国の関係を良好にしたいと願うシドニー・ルイス・ギューリック博士(1860~1945年)が企画。日本全国に、1万2739体が贈られた。

 このうちの1体の「キャサリン」(高さ約40センチ)は、1927年10月18日に米国・コネティカット州ニューヘブンから今福小に届いた。41年12月に太平洋戦争が始まると敵国の人形として処分の対象となったが、同校の教員が校舎内に隠し、71年に校舎を建て替える際、発見されたという。

 キャサリンの洋服は、発見時ひどく傷んでいたため、近くの洋裁店の女性オーナーが新調した。真新しい白色の洋服をまとったキャサリンは木箱に入れられ、93年から同校の玄関付近に展示されている。98年には、ギューリック博士の孫から「ヘレン」という名前の人形が同校に贈られ、一緒に飾られている。

 今福小は95年に、キャサリンが届いた10月18日を「青い目の人形記念日」に制定。5、6年生を中心に、平和学習の一環としてキャサリンが贈られた理由などを勉強している。同校卒業生でもある河村恭子教諭は「これからもキャサリンを通して平和の大切さを子どもたちと勉強していきたい」と話した。

2015年5月21日 無断転載禁止