アキのKEIルポ 外国人記者 錦織に熱視線

 3回戦の相手、B・ベッカーの欠場が伝えられたのは、28日の昼すぎである。この瞬間、錦織圭の2年ぶりの全仏4回戦進出が確定した。

 同日の夕方のプレスルームには、錦織が、翌日に記者会見する旨がアナウンスされた。日本の報道陣には、それが相手の棄権を受けての会見だろうことは想像がつく。ただこの放送に慌てたのが、日本人以外の記者だ。

 フランスのスポーツ紙「レキップ」の記者氏はすっ飛んでくると、「何で圭は会見をやるんだ?」と聞いてきた。「単なる4回戦進出会見だと思う」と説明すると、「なんだ、圭が棄権するわけじゃないんだね」と安心し、氏はプレス用バーに戻ると再びワイングラスを傾け始めた。

 優勝候補の一角に数えられる錦織の動向は、彼ら地元記者にとっても重要事項なのだ。

 その錦織の4回戦の相手は、ロシアのT・ガバシビリ。彼の試合後の会見には日本人記者が10人ほど集まったが、ロシアの記者はわずか2人。苦しい時期も経験してきた30歳は「確かに過去は負けてきたが、5セットマッチなら、よりチャンスがある」と野心を燃やす。

 注目される選手とは、他選手の標的にもなることだ。それをはねのけられるか―。

 大会2週目に入り、戦いは新たな局面を迎える。

 (フリーライター・内田暁)

2015年5月31日 無断転載禁止

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