きらめく星たち 天の川の中心

6月下旬の真夜中の空
幅(はば)が最も広く最も明るいよ

 6月22日の夏至(げし)がせまり、今ごろは一年のうちで夜が最も短い時期です。山陰(さんいん)地方では、日の入り後、空が真っ暗になるのがおよそ午後9時ごろ、日の出前、空が明るくなり始めるのが午前3時半ごろで、本当に星がよく見えるのは6時間半ほどしかありません。

 この短い夜のちょうど始まりに空に昇(のぼ)り、ちょうど終わりに地平線へと沈(しず)んでいくものがあります。それは「天(あま)の川(がわ)の中心」です。

 空に帯のように見える天の川は、どこも同じではなく、幅(はば)の広いところや狭(せま)いところもあれば、明るく見えるところや暗く見えるところもあります。幅が最も広く、最も明るく見えるあたりが天の川の中心で、星座(せいざ)でいえばさそり座のしっぽの先、いて座の一部分にあたります。ただし、この「中心」ということばには、もっと深い意味があります。

 地球も太陽も数千億もの星の大集団(しゅうだん)の中に存在(そんざい)します。でも、夜空を見回しても、そんなに多くの星はありません。もし数えられたとしても、せいぜい数千という程度(ていど)で、これはほんの近い星だけが見えているのにすぎないのです。大部分の星は遠すぎて見えません。ただ、たくさんの星が重なり合って、全体的にぼんやりと見えるのです。これが天の川です。

 私たちのいる星の大集団を、銀河系(ぎんがけい)または天の川銀河といいます。銀河系は、どら焼きのような円盤(えんばん)形をしています。私たちは「どら焼き」の中でも中心から外(はず)れたところにいるので、そこから中心方向を見ると、たっぷり入った「あん」のように多数の星々があって、天の川が濃(こ)く明るく見えるのです。これがいて座の方向にあたります。

 そこを見ることは、3万光年先にある銀河系の中心に目が向いているということです。私たちが宇宙(うちゅう)のどこにいるのかを感じながら、短い夏の夜の天の川を見てください。

 (島根県立三瓶自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ))

2015年6月17日 無断転載禁止

こども新聞