仕事みてある記 子どもと本をつなぎ図書館活用の種まく

調べ学習の授業をサポート、児童の発表に手拍子を送る實重美紀さん=松江市東出雲町、揖屋小学校
 学校司書(ししょ)

   實重 美紀(さねしげ みき)さん (松江市東出雲(ひがしいずも)町)



 「本と人をつなぐ仕事だと思っています。紹介(しょうかい)してもらった本良かったよ、と喜んでもらえると、次も頑張(がんば)ろう、と思えます」。松江市東出雲(ひがしいずも)町、揖屋(いや)小学校で学校司書(ししょ)を務(つと)める實重美紀(さねしげみき)さん(37)は本の専門家(せんもんか)として、学校図書館を活用した子どもたちの学習や心の成長などの支援(しえん)に、意欲的(いよくてき)に取り組んでいます。


 ○月○日、1年☆組の25人が本の中から、つまる音「っ」がつく言葉を探(さが)す国語の授業(じゅぎょう)です。担任(たんにん)の先生らと相談し▽読みやすい▽「っ」のつく言葉が三つぐらいある▽習っていないカタカナ表記(ひょうき)がなるべくない―などを条件(じょうけん)に、幼児(ようじ)向けの絵本を選びました。学校の図書館にある本と県立(けんりつ)図書館からの借り入れで1人に1冊(いっさつ)ずつ用意。児童は本を開いて言葉を探し、短冊(たんざく)に書き出していきます。そばに行って探(さが)すのをサポートし「らっぱ」「いっぱい」など、見つけた言葉をリズムにのせて発表する時には、手拍子(てびょうし)を送っていました。

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 子どものころから本が好きでした。松江(まつえ)南高に入学して司書の仕事を知り、進学した島根大学生の時、他県で司書講習(こうしゅう)を受講。「図書館概論(がいろん)」「図書館経営(けいえい)論」「図書館資料(しりょう)論」「レファランスサービス(調べものや資料・情報(じょうほう)探しの手伝い)演習(えんしゅう)」など、公共図書館で働くために必要な知識や技術(ぎじゅつ)を学び、資格(しかく)を取りました。

 卒業後、学校司書に就(つ)きました。調べ学習の資料は、図書館担当の教諭(きょうゆ)らと相談、他校や公立図書館などにも手配します。本を探しやすい工夫(くふう)、貸(か)し出し・返却(へんきゃく)の対応(たいおう)などの図書館管理(かんり)を通し、児童が課題を見つけ解決(かいけつ)していく力を育(はぐく)む▽知識(ちしき)を深め、読解力(どっかいりょく)を身に付ける▽本との出合いによる心の成長―の支援などに当たっています。もちろん購入(こうにゅう)する本選びも、です。

 「本が並(なら)んでいるだけでは伝わらないことを伝えるのが仕事。面白(おもしろ)い本ない? と求められても、すぐ思い浮(う)かばないと悔(くや)しいです。出合いの機会を失ってしまうかもしれないから」。備(そな)えたい本はたくさんあり、子どもたちが好きな本も充実(じゅうじつ)させたい、と願っています。

 島根県は、分校を除(のぞ)くすべての公立小中学校と特別支援学校、高校に学校司書を配置している先進県です。「子どもたちが一生、上手(じょうず)に図書館を活用できる種(たね)をまく役割(やくわり)だと思います。本の勉強をずっと続けなくてはいけません」と子どもに寄(よ)り添(そ)う気持ちを話しています。

2015年6月17日 無断転載禁止

こども新聞