紙上講演 政治評論家 有馬 晴海氏

政治評論家 有馬 晴海氏
安倍政権の課題と日本の針路

  来年7月衆参ダブル選も

 山陰中央新報社の石見政経懇話会、石西政経懇話会の定例会が17、18の両日、浜田市と益田市であり、政治評論家の有馬晴海氏(57)が「安倍政権の課題と日本の針路」と題して講演した。安倍晋三首相が宿願とする「憲法改正」の実現に向け、2016年7月に衆参両院のダブル選に打って出ると予測した。要旨は次の通り。

 2年半前に自民党が政権を取り返し、それなりに順調に来ていたが、安全保障関連法案について、衆院憲法審査会で参考人の憲法学者3人全員が違憲との考えを示し、永田町がひっくり返ったような感じだ。憲法学者の認識が国民に伝わり、潮目が変わってきたという見方が出ている。

 安倍首相の狙いは、経済を良くすることで国民の支持を取り付け、憲法改正につなげること。経済政策「アベノミクス」の成否が課題だ。これまでは、アベノミクスへの期待感や成果で12、14年の総選挙に勝った。15年9月の総裁選で勝てば、さらに3年の任期を得ることができ、党則などを改正すれば20年の東京五輪・パラリンピック開催時の首相の座も視野に入ってくる。

 15年9月の総裁選では、選挙になっても安倍首相が勝つというのが大方の見方。石破茂地方創生担当相は大臣として首相に仕えており、反旗を翻してまで総裁選に出ることができるかどうか。それ以上に、20人の推薦人を集めるのも難しいところがあるのではないか。名前が挙がる野田聖子氏も同様だ。

 安倍首相は、消費税が上がる17年4月までに憲法改正への勝負をかけると見る。憲法改正の発議には衆参両院で3分の2以上の賛成が必要で、衆院は公明党との協力などで見通せるが、過半数に満たない参院の勢力拡大が必須となる。そこで、衆院の現有勢力を参院選の有権者の投票行動に生かせるダブル選を仕掛けるのではないか。

2015年6月19日 無断転載禁止