(68)原井小のスタインウェイピアノ(浜田)

原井小の多目的ホールに置かれているスタインウェイのグランドピアノ
 国内に4台募金で修復

 世界的な名器「スタインウェイ」のグランドピアノが、原井小学校(浜田市港町)にある。使用不能で処分される可能性もあったが、約10年前にピアノの価値を知った住民らが募金活動を行い、復活させた。今は同校の多目的ホールに置かれ、子どもたちをはじめ地域住民に愛されている。

 ピアノは、ドイツ・ハンブルクの工場で1923年に製造された。型は「O-180」で、奥行き180センチ、横幅146・5センチ、高さ101センチ、重さ280キロ。33年に当時の保護者が同校の発展を祈り、寄付金を集めて購入したという。石央文化ホール(同市黒川町)や悠邑ふるさと会館(川本町川本)のスタインウェイより「小柄」だ。

 ピアノは2004年、浜田市にコンサートで訪れていたピアニストが、移転新築のため取り壊しが決まっていた同校旧校舎(浜田市片庭町)の音楽室で見つけた。「修復して使いたいので譲ってほしい」という申し出があったことから注目され、卒業生らを中心に修復に向けた募金活動が始まった。

 翌年、ピアノは見事に復活し、移転新築した現在の校舎に置かれた。以来、毎年、子どもたちがピアノに触れる機会をつくろうと、同校育成会が市内の小中学生を対象に「スタインウェイ子どもピアノコンサート」を開いている。

 卒業生で、1回目の同コンサートに出演した京都女子大4年の清水美里さん(21)は「母校にスタインウェイがあり、弾いた経験を持つのは誇り」と胸を張る。

 1923年製のスタインウェイは国内で4台のみと貴重で、子どもたちが触れる機会は同コンサートや年1回のメンテナンス時と限られている。同校の宇谷緑校長は「宝の持ち腐れにならないよう、子どもたちに還元する方法を考えたい」と話している。

2015年7月9日 無断転載禁止