レッツ連歌(下房桃菴)・8月13日付

(挿絵・FUMI)
 考えておくが通じぬ電話口

上品ぶったがまちがいの元   (雲南)渡部 静子

どの役所にもあるすぐやる課  (松江)岩田 正之

七十回もプロポーズされ    (美郷)芦矢 敦子

じっと我慢のダンマリを決め  (益田)石田 三章

口が滑った昨晩の悔い     (大田)丸山 葛童

ついていけない孫の算数    (出雲)鬼村 吉郎

女の勘は油断できない     (大田)有田 孝政

しかたがないのでおてがみか~いた
               (松江)坂本 美恵

自治会長に祭り上げられ    (浜田)勝田  艶

勧める医者は二十歳そこそこ  (松江)山崎まるむ

子よりも孫がかわいい爺ィ婆ァ (松江)今岡笑美子

行けたら行くを待っているバカ (松江)土江 ユミ

来週届く文学全集       (益田)黒田ひかり

マニュアルしっかり仕込まれている
               (美郷)源  瞳子

ウェディングドレスもうできたのよ
               (松江)原  野苺

もつれもつれた三角関係    (出雲)津戸 弘光

私がこんな聞き上手とは    (出雲)飯塚猫の子

風雲急を告げるニセ孫   (出雲)はなやのおきな

生前贈与ねだる子どもら    (益田)石川アキオ

素直に育てすぎた後悔     (雲南)錦織 博子

一夜明ければ一月一日     (出雲)行長 好友

先短いは母の口癖       (松江)持田 高行

急かす話にゃ眉に唾つけ    (出雲)吾郷 寿海

一人息子を婿にくれとは    (出雲)石飛 富夫

はやはや探せ式場産院     (雲南)佐藤 風子

ワーイやったと孫の歓声    (松江)石川  倫

支持政党はもう決めてます   (江津)井原 芳政

国を譲れと三度催促      (出雲)栗田  枝

泣く子と地頭オレオレとアベ  (益田)吉川 洋子

次々届く送りつけ品      (益田)可部 章二

カアチャンが出てみごと撃退  (松江)花井 寛子

ATMとくれば詐欺です    (松江)相見 哲雄

不眠不休で挑む数式      (出雲)野村たまえ

筒はつぶれて糸は伸び切り   (浜田)三隅  彰

はっきりしてよ私?奥さん?  (江津)花田 美昭

今だけですとカン高い声    (出雲)放ヒサユキ

世論調査の無機質な声     (松江)高木 酔子

舌打ちひとつ昇る満月     (松江)福田 町子


            ◇

 ユミさんの元の句は、「待っても来ない行けたら行くよ」―。待つほうと待たせる側と、この立場を逆転させた上、「バカ」というキツイことばを使って、添削させていただきました。連歌はフィクションとはいうものの、誤解する人も時にはおられますので、特にお断りいたしておきます。

 電話の無機質な声、腹立ちますね。私なんか、すぐに切ってしまいますが…。

 それにしても固定電話を使った世論調査―。昼間仕事をしている人にはつながらないし、ケイタイやスマホしか持たない若者は、もとより対象外。それで正しいサンプリングができているのでしょうか。最近とても気になっております。(放送大学で統計学を勉強中)

            ◇

 往年のヨシモトの名コメディアン、花紀京さんが亡くなりました。私は大ファンだったのですが、さるお芝居で、アト出しジャンケンをして、そのくせ負けてしまう、という滑稽な場面がありました。「なんでやろ」というトボケた顔がおもしろく、深く印象に残っております。で、個人的な思いも込めて、そのものずばり、

  アト出しジャンケンして負けている

という前句を思いついた次第。

 もっとも、「アト出しジャンケン」ということばは、比喩的にも使えますよね。楽しい五七五をいっぱいお寄せいただけるものと、大いに期待しております。

2015年8月13日 無断転載禁止

こども新聞