レッツ連歌(下房桃菴)・8月27日付

(挿絵・麦倉うさぎ)
◎この町で生きる決心つきました

武者行列の常連となり     (松江)余村  正

甲子園への早道と知り     (雲南)錦織 博子


◎0点のテストきょうなら出せるかも

七億円を分ける父母      (出雲)遠藤  伸


◎自分史に過去の栄光書き連ね

ドでかい墓も建つ丘の上   (津和野)岡田 忠良


◎カアチャンにゴメンナサイがクセになり

金のかからぬことは大好き   (松江)川津  蛙

涙を誘う主賓の挨拶      (出雲)折田 小枝


◎年下におじさんなんてヤだよオレ

成績だってあいつが上でサ   (出雲)矢田カズエ


◎注文がインターネットで殺到し

まだまだ間に合う自由研究   (松江)森  笑子

粉飾決済やっちゃダメです   (松江)河本 幹子


◎客席の笑いを誘う年少児

大あくびしてタンバリン打ち  (浜田)松井 鏡子

涙が出るの年のせいかな    (出雲)野村たまえ


◎叩いても押してもドアは開けられず

ひとり夜通し見る天の川    (飯南)塩田美代子

通りすがりに笑ってく猫    (益田)吉川 洋子

襖相手になにしてんだか    (松江)山崎まるむ

トイレの中で泣きわめく孫   (松江)半田 有行

満州国の最後の皇帝      (松江)安東 和実

嵐過ぎるの待つ反抗期     (出雲)原  陽子

三つの謎を解いて脱出     (益田)黒田ひかり

暗証番号入れてください    (松江)森廣 典子

アメノウズメにギャラはずまなきゃ
               (益田)石田 三章

無情に揺れる休診の札     (益田)石川アキオ


◎受診日が同じ曜日の肛門科

好きで別れた初恋の人     (出雲)黒田千華子


◎あの男ぜったい同業なんだよな

細くきれいな指がくせもの   (松江)原  野苺


◎スミマセンきのうの会議出れなくて

カメラ気にする野球観戦    (雲南)横山 一稔


◎ニュアンスが伝えられない出雲弁

どげだいこげだいなりゃしましぇんが
               (美郷)芦矢 敦子


◎人知れず苦労の絶えぬ年の差婚

参観日にはジジと呼ばれて   (浜田)滝本 洋子

目医者と言えば妙な顔され  (奥出雲)松田多美子


◎爆買いの客大挙して上陸し

まず目をつけた国宝の城    (松江)三島 啓克


◎アポなしで娘カレシを連れてきて

年が明けたらジジになるって  (出雲)放ヒサユキ


◎本山の奉仕作業に駆り出され

見上げて唖然長き石段     (出雲)栗田  枝


◎恥ずかしい店で上司と出くわして

とんとん拍子の出世街道    (江津)花田 美昭


◎毎時間当てられている数IIB

モテたいばかりにムリに手を挙げ(出雲)三成 圭子

選択したのはわずか三人    (松江)持田 高行

卒業したらプロポーズされ   (江津)岡本美津子


           ◇

 今日は八月二十七日―。ほんとに間に合いますか、笑子さん。夏休みの大幅延長なんて便法があるわけじゃなし…。

 人間は一番に目が衰えるとか、いや歯が先だとか、俗説にもいろいろあるようです。多美子さんの句は、深刻なようで、やっぱり笑ってしまいます。

 いくら目をつけられても、こればかりはね、啓克さん。もっとも、その天守閣も維新直後には民間に売りに出され、米百俵で一旦落札されたのを、有志が奔走して、ようやく買い戻したのだ、と申します。にしても、そのころ爆買いの客が来なくてよかったですね。

           ◇

 次は、今日の入選句を前句に、五七五の付句です。

2015年8月27日 無断転載禁止

こども新聞