特派員便り 初制覇の夢来年こそ

錦織圭選手の1回戦に詰め掛け、声援を送るファン=ニューヨーク
 今季の錦織圭選手(松江市出身)の四大大会が終わった。1回戦、それも開幕日(日本時間1日)の第1試合。まさかの早さで幕が下りた。

 会場は、アーサー・アッシュ・スタジアムが完成する1997年までセンターコートとして数々の名勝負を見守ってきたルイ・アームストロング・スタジアム。スタンドから思わず仰いだ空は、雲が広がり、夏の強さの残る日差しを遮っていた。

 チェンジエンドの際の大音量のBGM、観客のテンションの高さ。同じ四大大会でも伝統、格式を重んじるウィンブルドン選手権(英国)とは正反対だった。詰め掛けた日本人のほか、骨付き肉やホットドッグをほお張ったファンたちは、準優勝した昨年も、錦織選手の背中を押しただろう。

 ニューヨーク市の五つの地区のうち最も広いクイーンズから、地下鉄で約30分のマンハッタンはもちろん、太平洋を越えて届いた熱気が、今年は膨らむ前にしぼんだ。大会前の世界ランキングが、昨年は11位、今年は4位。トッププロの看板を背負って戦う難しさは、想像を超える。

 全豪、全仏、ウィンブルドンと、今季の四大大会は本紙特派員が現地入りし、世界のメディアに負けまいと、錦織選手を追った。初制覇はかなわなかったが、楽しみが先に延びただけ。その日は必ず来る。

2015年9月3日 無断転載禁止

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