仕事みてある記 常に緊急時に備え 市民の安心支える

救急出動に備え、応急処置の訓練を積む■(吉の士が土)田遼さん=松江市学園南1丁目、松江市北消防署
 消防士(しょうぼうし)(救急隊員(きゅうきゅうたいいん))

   ■(吉の士が土)田 遼(よしだ りょう)さん (松江市学園南1丁目)



 一刻(いっこく)でも早く患者(かんじゃ)の元へ、病院へ―。松江(まつえ)市北消防署(しょうぼうしょ)(松江市学園(がくえん)南1丁目)の消防士(しょうぼうし)で救急隊員の■(吉の士が土)田遼(よしだりょう)さん(26)は「家族らの応急(おうきゅう)手当てと医師(いし)の間をつなぐのが救急隊。命を救うため、市民らの協力を得て患者や家族に安心感を与(あた)えられるよう、知識(ちしき)や技術(ぎじゅつ)を磨(みが)いていきたい」と話し、常(つね)に緊急時(きんきゅうじ)に備えています。


 「ピーポーピーポー。○○町、救急入電中」。119番通報(つうほう)を受けた通信指令課から、救急隊出動の1回目の放送が構内(こうない)に響(ひび)き渡(わた)ると、即座(そくざ)に準備(じゅんび)入り。感染防護衣(かんせんぼうごい)を着込(きこ)み、帽子(ぼうし)をかぶって身支度(みじたく)を整えていると、本指令に当たる2回目の放送で、急病か事故(じこ)か、目的の団地(だんち)名や建物など詳(くわ)しい情報(じょうほう)が流れます。大型の画面に映(うつ)し出された地図で目的地を確(たし)かめて最短距離(さいたんきょり)の道順を考え、3人一組で救急車に乗り込(こ)みサイレンを鳴(な)らし出発。「この間1~2分です」

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 松江市生まれ。大学卒業を控(ひか)え就職(しゅうしょく)活動中、「困(こま)った時に頼(たよ)りにされ、人のためになる仕事」と消防士を志(こころざ)しました。松江市の採用(さいよう)試験に合格(ごうかく)。消防学校に入校し、消火活動や救急業務に関する訓練を計8カ月間受け、現場(げんば)へ。2015年4月から救急隊に所属(しょぞく)しています。

 勤務(きんむ)は、午前8時30分から翌日(よくじつ)午前8時30分までの24時間交代です。車両の整備(せいび)や備(そな)え付けてある救急処置用の機器類の点検(てんけん)、習熟(しゅうじゅく)訓練、体力トレーニング…。食事や休憩(きゅうけい)、仮眠(かみん)時間もありますが、出動指令が出ると、すぐ準備に入ります。

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 目的地に向かっている間にも患者の容態(ようだい)や病歴などの情報が無線で届(とど)きます。手当てに必要な資機材(しきざい)を考え、到着(とうちゃく)するとすぐに状態(じょうたい)に合わせて応急処置を施(ほどこ)す傍(かたわ)ら、病院に受け入れを要請(ようせい)します。最短ルートで搬送(はんそう)し、患者に言葉をかけて気持ちを落ち着かせるよう気を配ります。「患者や家族からの『ありがとう』の一言が一番うれしいですね。人の役に立てたと実感できるときです」

 市民らを対象に開く応急手当て講習(こうしゅう)会も大切です。多い時には月間30~40回開き、胸骨圧迫(きょうこつあっぱく)(心臓(しんぞう)マッサージ)や人工呼吸(こきゅう)のやり方などを指導(しどう)します。119番を受けてから救急車の到着まで、全国も松江市も平均約8分。この間の応急手当ては命にかかわる可能性(かのうせい)があり、とても重要だからです。

 松江市全体で14年1年間に7960件(けん)の救急出動がありました。9月9日は「救急の日」。救急車の適正(てきせい)利用を呼(よ)びかけています。

2015年9月9日 無断転載禁止

こども新聞