輝(き)らりキッズ 長唄三味線に魅せられ

長唄三味線のけいこに励む岩成杏珠さん=松江市上乃木、松徳学院
ベルギーや松江水燈路(すいとうろ)で演奏(えんそう)

 松江簑里会(まつえみのりかい)

 岩成 杏珠(いわなり あんじゅ)さん(松江一中3年)



 岩成杏珠(いわなりあんじゅ)さん(15)=松江(まつえ)市立第一中学校3年=は、長唄(ながうた)を歌ったり明るく軽快(けいかい)な音色の三味線(しゃみせん)を弾(はず)ませる「長唄三味線」の魅力(みりょく)に取りつかれ、けいこに励(はげ)んでいます。

 長唄三味線は歌舞伎(かぶき)の伴奏(ばんそう)音楽で、特に江戸時代以降(いこう)、普及(ふきゅう)しました。新指導要領(しどうようりょう)で小、中学校の音楽教育に伝統(でんとう)文化の和楽器が取り入れられています。

 岩成さんは小学校4年生の時、城西(じょうさい)公民館(同市堂形町(どうがたちょう))で開かれた三味線教室を体験。それがきっかけになって「日本の和楽器である三味線が弾(ひ)けたら、かっこいいな」と思って、長唄三味線の教室「松江簑里会(みのりかい)」に入り、けいこを始めました。

 毎月2回、松江を訪(おとず)れる三味線演奏(えんそう)家の杵屋五司郎(きねやごしろう)さん(59)=東京都文京区=から、松徳(しょうとく)学院=松江市上乃木(あげのぎ)=で、8人の教室生が約30分ずつ一対一で指導(しどう)を受けています。

 最初は譜面(ふめん)を読む練習や、弦(げん)(糸)にきちんと銀杏(いちょう)の形をした撥(ばち)を当てて、メロディーが弾けるようにするけいこから始めます。

 岩成さんは「勧進帳(かんじんちょう)」や「鞍馬(くらま)山」などを練習。「けいこをいくらしても、弾けないときはつらくて、自分の未熟(みじゅく)さを感じます」と話します。でも、「ほめていただいたときは、うれしいし、続けてよかったと思います」。今は中級レベルです。

 昨年6月には、杵屋さんの全国の簑里会会員ら約50人で、ベルギーでの「日本伝統芸能(げいのう)コンサート」に出演(しゅつえん)。着物を着て街頭でチケットを売ったりもして、異(い)文化を体験しました。

 また、松江市民文化祭や松江水燈路(すいとうろ)にも出演し、水燈路では三味線を弾いて、松江城の大手前(おおてまえ)乗船場から小泉(こいずみ)八雲(やくも)記念館までの往復(おうふく)を練り歩きました。

 「とても緊張(きんちょう)しましたが、すべて全力でやれたのでよかったです」と振(ふ)り返ります。今年も水燈路は10月3日、市民文化祭は10月11日に参加します。

 学校では英語部に所属(しょぞく)しており、国際化(こくさいか)にふさわしい語学力を養いたい考えです。

 高校受験を間近に控(ひか)え、「受験勉強と長唄三味線を両立させ、家族への感謝(かんしゃ)の気持ちを忘(わす)れず何事にも頑張(がんば)っていこうと思っています」。

 杵屋さんは、岩成さんについて「島根県内の小、中学生で長唄三味線を習っている人は、ほとんどいないと思う。とにかく三味線が大好きで将来(しょうらい)、有望」と話し、岩成さんの成長を見守っています。


【杵屋五司郎(きねやごしろう)さん】

 本名・簑田司郎(みのだしろう)。熊本(くまもと)県生まれ。東京芸術(げいじゅつ)大卒業。昭和音楽大、東京芸術大、九州(きゅうしゅう)大、松徳学院中学校・高校各講師(こうし)。国内外で公演活動を行うとともに、2002年に松江簑里会を立ち上げ、東京や京都など全国5カ所で三味線教室を主宰(しゅさい)。三味線の普及(ふきゅう)に努めています。

 01年、訪(おとず)れた宍道湖(しんじこ)周辺の風景や住民の人柄(ひとがら)に心が和(なご)まされ、松江のファンに。06年には「松江舟唄(ふなうた)」を作曲し、歌手で津軽(つがる)三味線の名取(なとり)(=高い技術(ぎじゅつ)を持つ人)でもある長山洋子(ながやまようこ)さんに歌を依頼(いらい)。また、08年から「まつえ文化夢(ゆめ)大使」として、国際(こくさい)文化観光都市・松江市の魅力を発信。

 「島根は『歌舞伎(かぶき)の始祖(しそ)・出雲阿国(いずものおくに)』が生まれた歌舞伎発祥(はっしょう)の地。『歌舞伎音楽の里帰り』をテーマに掲(かか)げて、島根で活動を続けたい」と意欲(いよく)を燃(も)やしています。 


≪プロフィル≫

【好きな科目】英語、社会

【好きな食べ物】すし、チョコレート

【好きなタレント】EXILE(エグザイル)のAKIRA(アキラ)

【好きな漫画(まんが)】ONE(ワン) PIECE(ピ―ス)

【好きなアーティスト】和楽器バンド


2015年9月9日 無断転載禁止

こども新聞