レッツ連歌(下房桃菴)・9月10日付

(挿絵・FUMI)
 アト出しジャンケンして負けている

猛暑日は脳細胞は休みです   (出雲)矢田カズエ

ドッキリで騙すつもりが騙されて(出雲)原  愼二

認知症予防体操効果なく    (出雲)有藤 敏雄

頭から指令は出るが手がサボり (雲南)錦織 博子

女房の顔色を見てあきらめて  (浜田)勝田  艶

アベさんに教えてあげたいこの余裕
               (益田)岡崎 晴世

サーブ権どっちでもよいときもあり
               (益田)兼子 哲彦

渡された助言のメモを読み違え(津和野)岡田 忠良

ニッポンの主張通らぬTPP  (益田)石川アキオ

生来の無器用者にございます  (美郷)源  瞳子

ニコニコと人の好いにもホドがある
             (出雲)はなやのおきな

三等の座椅子を婆ァはほしがって(江津)花田 美昭

善人と思われたくてやるシグサ (出雲)行長 好友

ヘソクリで海外旅行行きました (出雲)飯塚猫の子

ミヨちゃんの笑顔が見たいボク二年
               (益田)石田 三章

大好きな娘を追っかける鬼ごっこ(出雲)津戸 弘光

考えた末の談話にケチがつき  (松江)川津  蛙

長崎であわてて触れて笑われて (松江)安東 和実

コンピュータからかってやる暇つぶし
               (益田)黒田ひかり

代案を出して維新は分裂し   (出雲)放ヒサユキ

見えすいたヨイショもできる三代目
               (出雲)吾郷 寿海

長男の嫁はなにかと気を遣い  (出雲)野村たまえ

尻馬に乗ったつもりが蹴落とされ(松江)永瀬 秋風

大ジョッキ一気飲みする旅の宿 (大田)山形 俊樹

日本の暮らしに慣れぬ帰国子女 (松江)庄司  豊

意味のないやさしさなんて大嫌い(松江)佐々木滋子

子どもらをまだ捜してる和尚さん(雲南)板垣スエ子

初孫もニンギニンギがやっとでき(出雲)黒田千華子

あと一個孫にやりたい水羊羹  (松江)野津 重夫

三歳の孫はかわいいさかりです (松江)中村 清子

ババ抜きの孫の目線のババを引き(出雲)栗田  枝

もうチャンとしてよと孫は怒り出し
               (松江)相見 哲雄

流行が終わったころに髭が伸び (松江)原  野苺

手直しをしてボツになる締切り日(出雲)原  陽子


           ◇

 たとえばの話ですが、一等は高級羽毛布団、二等は温泉巡りの旅だったんですね。でも、ほしいのは三等の座椅子―。

 作り話ですから、なんでもいいようなものですが、といって、「スマホを婆ァがほしがって」ではサマにならない。お年寄りをバカにしているわけではありません。作り話だからこそ、いかにもそれらしいと思わせる、そういう工夫が必要なのですね。

 美昭さんの句が、もしほんとに「スマホ」だったら、文句なしのボツになるところでした。ま、そんな句を作られるわけは、一〇〇パーセントないとは思いますが…。

 「孫」を詠んだ句ばかり、あえて最後のほうに集めてみました。

 さて、ここでクイズです。この中で、どの「孫」がいちばん年長でしょうか。…やさしすぎますか。

 それにしても、いろんな句作りがあるものです。

           ◇

 次の前句は―、

  一時はどうなることかと思った

 この句は八八音ですが、それは七七句がたまたま字余りになったものとお考えください。ですから、付句は五七五。ということは、五八五でも六七六でも、実はなんでもかまわない、ということになりますが…。ただ、字足らずは歓迎できません。

2015年9月10日 無断転載禁止

こども新聞