紙上講演 共同通信論説委員 柿崎明二氏

共同通信論説委員 柿崎明二氏
2016年の日本政治

 消費税再増税5月に判断

 山陰中央新報社の石見政経懇話会、石西政経懇話会の定例会が7、8の両日、浜田市と益田市であり、共同通信論説委員兼編集委員の柿崎明二氏(54)が「2016年の日本政治」と題して講演し、安倍晋三首相が16年5月に、消費税の再増税と、来夏の参院選に合わせ次期衆院選に踏み切る「衆参同日選」の可否を判断すると展望した。要旨は次の通り。

 消費税の再増税が予定される17年4月から逆算すると、16年には政治的に大きな日程が並ぶ。7月に参院選、5月には国内総生産(GDP)の四半期の速報値が示され、伊勢志摩サミットもある。4月に衆院北海道5区補選、1月にはマイナンバー制度が始まる。

 中でも、特に重要なのは5月。消費税の再増税はGDP速報値を見て決める。衆参同日選は6月1日解散、7月10日投開票が典型的なシナリオで、5月の動向が注目される。

 衆参同日選は先般、自民党幹部が言及したが、安倍首相の頭の中には、橋下徹大阪市長が離党を表明し、今年11月の大阪ダブル選に独自候補を立てる意向を示した今年8月下旬に浮かんだのではないか。橋下市長が結成した「おおさか維新の会」が選挙に勝てば、勢いを保持して参院選に全国で候補を擁立する方向となり、民主党と手を結ばない状況が続くと読み、現在、その通りになっている。

 政権に影響を与えるのは、マイナンバー制度による情報漏えいや国内でのテロ発生。サミット期間にテロが起これば、衆参同日選の場合ではなくなる。衆院補選に向けては、民主党が無所属の野党統一候補の擁立を呼び掛けている。仮に野党側が勝てば、衆参同日選の機運も下がるだろう。

 だが、野党は連携できていない。民主党は維新の党と統一会派結成で合意したが、おおさか維新との関係が課題だったので、一緒になっても状況に変化はない。問題は、「国民連合政府」を提唱する共産党との連携をどうするかの方だ。

2015年12月9日 無断転載禁止