(69)観音滝(江津)

流れ落ちる水が白布のように見える観音滝
 豪壮、優美両面併せ持つ

 江津市桜江町鹿賀の観音滝は、断魚渓・観音滝県立自然公園内にある豪壮な名瀑(めいばく)。高低差約50メートルの岸壁から流れ落ちる水が、岩肌に白布をかけたように見え、優美さも感じさせる滝だ。

 観音滝はJR三江線の鹿賀駅から約3キロ南にあり、近くには駐車場もある。小鳥の歌声を聞きながら、遊歩道を川伝いに約200メートル歩くと、3段に分かれ水しぶきを上げる瀑布(ばくふ)が現れる。裾が広がった白いドレスにも似た美しい滝は水量が豊富で、増水すると中段を飛び越えて落水し、一層豪壮な姿を見せるという。

 名前の由来は諸説あるようで、そのうちの一説は、江戸時代中期にさかのぼる。鹿賀谷に住む老人が、上流で休憩した際にたばこ入れを忘れ、取りに行くと、竜がたばこ入れを角にかけ振り回す光景を見た。人間に姿を見られた竜は怒り、付近の田畑を荒らしたため、老人は滝のほとりに観音像を安置して鎮めた。以来、観音滝というようになったと伝わる。

 流れ落ちる滝の姿が、観音像に似ていたからとの説もある。古くから地元の人にとって、神秘的な場所だったのだろう。市観光協会桜江支部事務局の湯浅修さん(63)は「観音滝は、四季折々に趣ある景色が楽しめる。駐車場からも近いので、気軽に足を運んでもらえればうれしい」と話している。

2015年11月26日 無断転載禁止