論語(ろんご)で温故知新(おんこちしん)(4)


【訳(やく)】

 先生(孔子(こうし))は言われた。一言で言うなら「恕(じょ)」かな。自分がやってほしくないことは、人にもしないということだね。


相手の立場に立って考えよう

 「先生、たった一文字で生涯実践(しょうがいじっせん)してゆくキーワード(重要な言葉)があれば教えてください」

 これは弟子の子貢(しこう)が孔子に問いかけた言葉です。普通(ふつう)なら、「人それぞれです」とはねつけてしまうところでしょう。しかし、孔子は子貢という人の性格を知り抜(ぬ)いた上で、答えます。


 ◆相手の立場に立つ◆

 子貢という人はとても頭の回転が速い人だったそうです。だがら、何でも先へ先へと気が回る人だったのでしょう。

 みなさんのまわりにもこんな人はいないかな? 一見(いっけん)よく気がつく人で、しっかり者と思われることでしょう。しかし、一緒(いっしょ)にいると「ちょっと疲(つか)れる人」と感じられることがあります。

 何でも、自分のペースで物事をどんどん考えていくということはありませんか? これもいわゆる強引(ごういん)な人と見られ、敬遠(けいえん)されます。

 「相手の立場に立って物事を考えてみなさい」

 「自分はよかれと思っていても、相手はそうは思っていないことだってあるのだよ」という言葉を聞くことがあるでしょう。

 本当に相手のことを慈(いつく)しみ、思いやるような心、これがすなわち「恕」です。自分の考えだけが正しいと思い込むことへの諫(いさ)めでもあるのです。


 ◆自分はどんな人◆

 孔子にはたくさんの弟子がいました。勇ましく一直線のような性格の人、道徳のお手本のような人、調子よく怠(なま)ける人、一途(いちず)に親孝行の人、病気がちの人などいろいろな人がいたようです。孔子は同じことを答えたでしょうか?

 人それぞれ、その人にあった生き方がありますね。だから、同じ質問でも、相手によって答えは皆違(みなちが)ったそうです。それでは、あなたには、何という言葉をいただけるのかな?

  (私塾(しじゅく)「尚風館(しょうふうかん)」講師・小倉雅介(おぐらまさすけ))

2014年12月24日 無断転載禁止

こども新聞