論語(ろんご)で温故知新(おんこちしん)(7)


【訳(やく)】

 先生は(孔子(こうし))言われた。教養(きょうよう)・人格(じんかく)ともに高い人(君子)は人と和(なご)やかに話し合いをするが、自分の考えなしに馴(な)れ合(あ)うことはしない。まだまだの人(小人)はその逆(ぎゃく)だな。


違(ちが)う意見を尊重(そんちょう)し穏(おだ)やかに話そう

 これから大勢(おおぜい)でやろうとすることがどういうことか? 本当に自分で判断(はんだん)したことか? やっていいことか、いけないことか? そんなことよりも、まわりに合わせておく方が利口なやり方だ。これを付和雷同(ふわらいどう)といい、孔子は嫌(きら)いました。


 ◆和して同ぜず◆

 十人十色(じゅうにんといろ)という言葉があります。これは、人それぞれの性格や考え方が違(ちが)うということです。大勢の中で違う意見を言うことは少し勇気がいりますね。しかし、相手を尊重(そんちょう)して、穏(おだ)やかに話をされると、違いを乗り越(こ)えてゆったりした素直(すなお)な気分になれます。これが「和」です。しかし、人は感情が高ぶってくるとなかなかこうはなれません。

 孔子はたとえ身分の高い人の前でも、自分の考えをしっかり持って、自分の考えを述(の)べました。そのために嫌われたり、孤立(こりつ)することを恐(おそ)れず問題の解決に当たっていきます。これが「同ぜず」です。ただし、自己中心になって、自分の考えにしがみついているのは「同ぜず」とはいえません。


 ◆同じて和せず◆

 ふつうは誰(だれ)でも自分が孤立することを恐れます。だから、いやな雰囲気(ふんいき)になるのが分かっていたら、自分の考えを隠(かく)します。みなさんは嫌われないために、まわりに合わせようとしたことがありませんか?

 性格や意見の違うもの同士が考えもなく行動を共にすることがよくあります。しかし、これではだいじな問題は解決できません。これを論語では「同じる」といいます。

 「孤立はしたくない。しかし、このまま一緒(いっしょ)な行動はしたくない」

 こんな場面が必ずあると思います。そんな時、今回の論語を思い出してみるといいかもしれませんね。「同じる」で問題が解決したためしはありませんよ。

  (私塾(しじゅく)「尚風館(しょうふうかん)」講師・小倉雅介(おぐらまさすけ))

2015年2月4日 無断転載禁止

こども新聞