論語(ろんご)で温故知新(おんこちしん)(11)


【訳(やく)】

 先生(孔子(こうし))は言われた。ものごと(之(これ))を知っているだけではまだ足りないよ。(之)を好きになった人にはかなわないね。(之)を好きになった人でも、(之)を楽しんでいる人にはかなわないね。


「知る」から始まり「楽しむ」まで続けて

 ◆「之(これ)」とは何?◆

 論語では「学問」のことを指していると思われます。しかし、みなさんは「之」をスポーツとか、趣味(しゅみ)などに置(お)き換(か)えて考えてもいいと思います。


 ◆知ること◆

 あらゆることは、まず「知る」ことから始まります。知ることにより、自分の中に動き出すためのエンジンがかかります。だから「知る」「知りたい」という心の動きはとても大切です。


 ◆好むこと◆

 やがて「知った」だけでは物足りなくなります。知ったことを実際(じっさい)にやってみたいと思うのは、自然な心の動きでしょう。

 たとえば、小さな子どもは絵本に出てくる動物が大好きです。かわいい動物を知ると、今度は「飼(か)ってみたい」と言うようになります。あるいは、スポーツ選手の活躍(かつやく)をテレビで観戦したり、内容を本で読んだりすると、実際に自分でもやってみたくなります。

 ここまでは、誰(だれ)でもできるでしょう。ただし、長続きするかどうかです。

孔子は「ここから先が大変だよ」と言っています。


 ◆楽しむ◆

 「好きこそものの上手(じょうず)なれ」ということわざのとおり、好きでやっているうちに、ある程度(ていど)まで知識や技術(ぎじゅつ)は上達します。しかし、そのうち必ず、スランプや壁(かべ)に突(つ)き当たります。ノーベル賞を取った学者でも、オリンピックで金メダルを取ったスーパースターでも、必ず壁にぶつかっています。ある程度のレベルに達した人は「今やっていることが楽しいなんて思ったことがない」とよく聞きます。しかし、いつかその努力は報(むく)われています。

 あらゆる「之」は「知る」から始まって「楽しむ」という境地(きょうち)に向かって努力を続ける姿勢(しせい)がだいじなんですね。

 さて、あなたは今、好きでやっていることがあるかな? もしあれば、楽しいというところまで、ぜひ続けてほしいな。

  (私塾(しじゅく)「尚風館(しょうふうかん)」講師・小倉雅介(おぐらまさすけ))

2015年4月1日 無断転載禁止

こども新聞