論語(ろんご)で温故知新(おんこちしん)(18)


【訳(やく)】

 先生(孔子(こうし))が言われた。自分が知っていることを「知っている」とする、自分が知らないことは「知らない」とはっきりさせること。これが「本当にものを知る」ということだよ。


「知らないこと」は知らないと言おう

 この章句(しょうく)は弟子の子路(しろ)に対して、孔子が教えた言葉です。あいまいな知識(ちしき)を知ったかぶりで話すことへの注意といわれています。


 ◆知っていること◆

 「おまえこんなことも知らないのか」という言い方をされて、気分を悪くしたことはありませんか?

 世の中には数え切れないほど、たくさんのものごとがあります。その中には本当かどうか怪(あや)しい知識もたくさんあります。それを、知ったかぶりで話すことはとても危険(きけん)なことです。とくに、人が知らない知識を自分だけが知っているというのは気分がいいものです。ちょっと自慢(じまん)したくなりますね。しかしここで、「ちょっと待(ま)てよ」と思う心のブレーキがあるかどうかです。


 ◆知らないこと◆

 自分が知っていると思っていることでも、相手から疑問(ぎもん)を投げかけられて、結局(けっきょく)、自分でも分からなくなることがありませんか? これは、どんな人でもあることなのです。しかし、ここから先がだいじです。

 「知らないこと」を知らないと素直(すなお)に言える自分がだいじなのです。これは恥(はじ)ではありません。むしろ、知らないのに知ったかぶりをすれば、教えてもらう(学ぶ)チャンスを逃(のが)してしまいます。

 孔子は弟子たちに次のようにも言っています。

 「聞いて疑(うたが)わしいものや、見て危(あぶ)なっかしいものを取り除(のぞ)けば、後悔(こうかい)することもなくなる」「疑わしいときには、遠慮(えんりょ)せずに質問(しつもん)しなさい」

 いくつになっても、世の中には知っていることより、知らないことがいっぱいあります。だから、世の中はおもしろいと思いませんか?

  (私塾(しじゅく)「尚風館(しょうふうかん)」講師・小倉雅介(おぐらまさすけ))

2015年7月8日 無断転載禁止

こども新聞