レッツ連歌(下房桃菴)・12月24日付

(挿絵・FUMI)
◎眺望が売りで求めたうさぎ小屋

写真展では金賞を取り     (松江)庄司  豊


◎ジイさんのジイさんからの言い伝え

幽霊の出ぬ井戸は埋められ   (松江)花井 寛子

家は建てるな石碑より下    (松江)植田 延裕

チョンマゲ結った写真見せられ(北広島)堀田 卓爾

戦争なんてアホのすること   (川本)高砂瀬喜美


◎松茸の匂いたっぷり嗅いでいき

急いで飯を五杯平らげ     (出雲)放ヒサユキ


◎猪が飛び出してくるオマケつき

鹿と蝶とは手の内にあり    (出雲)黒田千華子

モグラ叩きで後ずさりする   (松江)土江 ユミ


◎学校の疲れを癒すマッサージ

親バカだとは分かっているけど
             (出雲)はなやのおきな


◎ブラジャーに防犯ベルをしのばせて

十億当たって恐い毎日     (雲南)安部 小春


◎ジーパンの裾を重ねて折り返し

孫のお古で大根抜く爺     (松江)高木 酔子


◎兄弟で年に一度の墓参り

まるく収めた遺産相続     (江津)岡本美津子

揉めるほどにもない遺産にて  (松江)加茂 京子

戦死の父は歳を取らない    (雲南)板垣スエ子


◎ケーキより饅頭がいいおバアちゃん

クリスマスには鮭の丸焼き   (米子)佐々木浩子


◎秋祭り駐在さんも駆り出され

車は止まれ神輿優先      (出雲)石飛 富男


◎山ガールリュックいっぱい鈴を下げ

トナカイつられて寄り道をする (松江)森廣 典子

神輿来たかと思わず振り向き  (松江)永瀬 秋風

渋谷の街を行くハロウィーン  (江津)江藤  清


◎バアちゃんが抱いて寝ている縫いぐるみ

とうとう取ったUFOキャッチャー
               (益田)可部 章二


◎お隣のおじちゃんによく似ているね

ここで言うのはやめておこうよ (松江)山崎まるむ

園児みつめるサンタあわてる  (松江)三島 啓克

ボクの顔見て悩んでるパパ   (出雲)原  陽子

母の顔色サッと変わりて    (松江)水野貴美子


◎振り向いておやじバキューンと口で言い

大喜びの三歳の孫       (益田)竹内 良子

死んだフリするポチを相手に  (浜田)松井 鏡子

胸を押さえる大阪の人     (松江)安東 和実


◎旅の荷を解いてわが家で伸ばす脚

留守番電話点滅している    (益田)石川アキオ

娘の初産無事に済ませて    (松江)森  笑子

越中富山に冬の訪れ      (益田)石田 三章


           ◇

 「秋祭り駐在さん」に付けた富男さんの句は、一見、付きすぎのように思われるかもしれません。しかし、打越(うちこし)の句「田舎芝居の夕陽のガンマン」からすれば、駐在さんは舞台に上がっていたはず。ですから、どんな役なんだろう、案外どろぼう役かしら…なんてことを、ついつい考えてしまいます。

 ところが、やっぱりそうじゃない。駐在さんは、ほんとは交通整理していただけなのだ、と肩透かしを食らわせたのが、この句の愉快なところです。

 第4週の「レッツ」には、第2、第5週にはない、こうした別の趣があるのですね。

           ◇

 で、来年は干支(えと)にちなんで、新たに、

  思いもよらず猿と出くわし

から始めてみましょう。

 まずは、五七五の付句です。

           ◇

 それでは、みなさん、いいお年をお迎えください、と私からは申しあげます。

 ただし、大みそかのスペシャルをお忘れなきよう。

2015年12月24日 無断転載禁止

こども新聞