きらめく星 「三瓶廻り」カノープス

三瓶山のすぐ上に見える「三瓶廻り」と呼ばれるカノープス=2015年12月2日、出雲市大社町の日御碕付近で撮影(さつえい)
 日御碕で運良く見えたよ

 金星(きんせい)や木(もく)星などの惑(わく)星以外の星、星座(ざ)を形作る星の中で一番明るいのは、おおいぬ座のシリウスです。冬の夜には南の空、オリオン座の近くでひときわ輝(かがや)いています。では、二番目に明るい星は何でしょうか。

 それは、りゅうこつ座という星座のカノープスです。シリウスが真南(まみなみ)にさしかかる少し前、その下のたいへん低いところに姿(すがた)を現(あらわ)します。短い時間しか空に出ていないため、見る機会が少ない星です。中国では南極(なんきょく)老人星と呼(よ)ばれ、見ると長生きできると言われてきました。

 南半球で見ると高いところに輝くカノープスは、日本付近では地平線近くにだけ現れるので、沈む直前の夕日と同じように、赤っぽく、明るさも弱まって見えます。

 山陰(さんいん)では、1月中旬(ちゅうじゅん)なら午後11時ごろに出ているはずですが、中国山地が南の空の低いところを隠(かく)しているため、隠岐(おき)を除(のぞ)けば、見られる場所は多くありません。ですから、山陰で見るカノープスには、余計(よけい)にありがたみを感じます。

 出雲(いずも)市大社(たいしゃ)町の日御碕(ひのみさき)あたりから南を見ると、小さく三瓶山(さんべさん)が見えます。カノープスは、その山頂(さんちょう)のすぐ上を飛び越(こ)えるようにカーブを描(えが)いて進むことから、「三瓶廻(まわ)り」と呼ばれていたのだそうです。

 以前から、この「三瓶廻り」を見に、日御碕の方へ何度も行っているのですが、かすみなどのため、うまく見られることはほとんどありませんでした。ところが、この冬は運良く何度も見ることができています。短い時間とは言いましたが、「三瓶廻り」は数十分かけてゆっくり山の上を通ってゆくのです。

 (島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ))

2016年1月13日 無断転載禁止

こども新聞