(74)イズモコバイモ群生地(川本)

川本町谷戸の群生地で春に見られるイズモコバイモ(資料)
春の妖精地域挙げ守る

 ユリ科の希少植物で、愛らしい姿から「春の妖精」の愛称で親しまれているイズモコバイモ。島根県川本町谷戸の群生地では、地元の保護団体などが「地域の宝」として地道な保全活動を続けている。そのかいあって毎年春になると、釣り鐘状の白いかれんな花を一帯に咲かせ、訪れた見学者の目を引きつけている。

 イズモコバイモは、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されている県固有種。群生地は町中心部から北西に約3キロ離れた県道沿いの山の斜面約900平方メートルで、3月上旬から約1カ月間の開花時期には2~3センチの花を咲かせ、一面を白く彩る。

 保全活動に取り組んでいるのは、地元の保護団体「みんなで守る谷戸の自然」(上坂二三男代表)と「川本町自然大好きネットワーク」(堀川俊雄代表)。年3回、斜面の草刈りなどを行っている。上坂代表(71)は「イズモコバイモは背丈が低く、草の影になって日が当たらないと花が咲かない。刈った草は堆肥にもなって成長にいい」と話す。

 開花時期になると毎年、県内や広島県から大勢の見学者が訪れる。今年は3月に3回、群生地を散策する広島県からのツアーの予約が入っているという。

 3月20、21の両日には恒例の観察会を予定しており、両団体のメンバーが現地案内するほか、県立三瓶自然館サヒメルの学芸員を講師に学習会も行う。毎年のように訪れる愛好者も多いという。

 みんなで守る谷戸の自然の大畑勉顧問(80)は「イズモコバイモを守ろうを合い言葉に、地域挙げて保全活動に取り組んでいる。まさに協働の源です」と目を細め、上坂代表は「豪儀なイベントはできないが、それでも来てくれる人がいるのがうれしい。地域の宝を絶やさず、後生に受け継いでいきたい」と話した。

2016年2月24日 無断転載禁止